WEB制作におけるデザインの役割。ホームページ制作におけるデザインの役割とは?「見た目」以上に重要なビジネスへの影響と成功の法則割
ホームページ制作におけるデザインの役割は重大といえますが、とにかくデザインすればいいというわけではなく、役割をしっかりと認識した上でデザインすると最大限の効果を発揮することにつながります。
そこで今回はホームページ制作におけるデザインの役割について考え、今後どういったことに注意してデザインを制作していくべきか解説します。
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目次
なぜ「デザイン=見た目を整えること」では失敗するのか
まず最初に、多くの企業で陥りがちな考え方を整理しておきます。
「デザイン」と聞くと、多くの方が色使い、写真、フォントの雰囲気といった装飾をイメージされます。もちろんこれらもデザインの一部ですが、それだけでデザインの良し悪しを決めてしまうと、ほぼ確実に失敗します。
もし、「センスの良いデザイナーに頼めば、良いサイトができるだろう」と期待しているとすれば、少し危険なサインです。
本来のWebデザインは、ユーザーが迷わず目的を達成できるように情報や導線を組み立てる設計であり、作り手の自己表現であるアートとは役割が異なります。
アートとデザインの決定的な違い
この違いを共有しておかないと、制作会社やデザイナーとのコミュニケーションが噛み合わなくなります。
アート(芸術)
制作者自身の思想や感情を表現するものです。受け手がどう解釈するかは自由で、「分かる人だけ分かればよい」という側面もあります。機能性より独創性が重視され、「これが正解だ」という答えはありません。
デザイン(設計)
ユーザーが抱える課題を解決するための手段です。
「お問い合わせをしてもらう」「製品情報を理解してもらう」「採用エントリーに進んでもらう」など、明確な目的があります。誰が見ても使いやすく、情報が伝わることが求められ、成果というかたちで客観的な答えがある領域です。
企業のホームページは、作品ではなく「経営に役立てるための資産」であり、営業・採用・広報を支えるツールです。どれほど美しいサイトであっても、問い合わせボタンの位置が分かりにくく、欲しい情報にたどり着けないのであれば、ビジネスの視点では成功とは言えません。
まずは「デザインは問題解決の道具である」という前提を、社内で共有しておくことが重要です。
現場で頻発する「デザインの失敗」3つのパターン
実際のWeb制作プロジェクトでは、デザインが原因でスケジュールが遅れたり、公開後に成果が出なかったりするケースが少なくありません。そうしたトラブルには、いくつか共通する失敗パターンがあります。事前に知っておくことで、その多くを避けることができます。
1. 「好み」で決める自己満足の罠(HiPPOの法則)
もっとも多いのが、社内の「個人的な好み」でデザインが決まってしまうケースです。
マーケティングの世界では、HiPPO(Highest Paid Person’s Opinion:もっとも給料の高い人の意見)という言葉があり、役職が高い人の好みが優先されてしまう現象を指します。Web制作でも同じことが起こります。
「社長が青色が好きだから、本来のコーポレートカラーではないが全体を青くしてほしい」
「競合の○○社のサイトがかっこいいので、あれと同じ動きをつけてほしい」
こうした指示には、多くの場合 ホームページを利用するユーザーの視点が抜け落ちています。
例えば、ターゲットが50代以上の比較的保守的な層なのに、文字が小さく、動きが多いスタイリッシュなデザインにしてしまえば、「読みづらい」「何を見ればいいか分からない」という理由だけで離脱されてしまいます。
このホームページは誰のために作るのかという原点を、社内の力関係や個人の好みが上書きしてしまうと、デザインは簡単に迷走します。
2. コンテンツ不足をデザインで誤魔化そうとする
次に多いのが、「文章や写真はまだ決まっていないが、とりあえずデザインを先に作ってほしい」というパターンです。
しかし、Webデザインの本来の役割は、コンテンツ(中身)の魅力を最大限に引き出し、分かりやすく伝えることです。中身が決まっていない状態で外側だけ作ろうとすると、中身のない箱ばかり立派になってしまいます。
コンテンツが固まっていないままデザインを進めると、ほぼ必ず次のような問題が起こります。
後から原稿を入れたら文字数が合わず、レイアウトが崩れる
本来アピールすべき強みが分からないため、無難で印象に残らない見出し・構成になる
手元に写真素材がなく、無料のフリー素材ばかりに頼る結果、現場感のないどこにでもあるサイトになってしまう
デザインは魔法ではありません。薄い内容を、見た目だけで厚く見せ続けることはできません。
3. 「足し算」の修正で迷走するキメラ化現象
デザインの初稿が上がった後の修正段階でも、トラブルは起こります。
各部署から、次のような要望が出てくることはないでしょうか。
営業部:「もっと商品の写真を大きくしてほしい」
広報部:「ニュースリリースをトップページで強調したい」
人事部:「採用情報のバナーも一番目立つ場所に置きたい」
これらをすべて「分かりました」と足し算で盛り込んでいくと、画面上のあらゆる要素が「私を見てくれ」と主張する状態になります。
結果として、ユーザーから見ると「どこを見ればいいのか分からないホームページ」 になってしまいます。
情報は「載せること」以上に、「載せないこと」「抑えること」が大事です。
どの情報が今回のサイトの役割にとって最優先なのかを社内で整理しておかないと、最終的にキメラのようなWebサイトが出来上がってしまいます。
Web制作におけるデザインが担う「4つの具体的役割」
ここまで失敗パターンを見てきました。では、成果を出すホームページにするために、デザインは具体的に何を担うべきでしょうか。
Webサイトにおけるデザインの役割は、おおまかに次の4つに整理できます。
これらは、Googleが重視する「信頼できる情報」「専門性を感じられるサイトづくり」にも関わる部分であり、結果的にE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を高める土台にもなります。
1. 信頼性の担保(第一印象の形成)
ユーザーがWebサイトを開いた瞬間、「この会社は信頼できそうか」を直感で判断します。マーケティングの現場では、こうしたごく短い時間での判断を「3秒ルール」と呼ぶこともあります。
実際には何秒と決めつける必要はありませんが、「見てすぐに安心感を持ってもらえるかどうか」が重要なポイントです。
ここで効いてくるのが、言葉以外の情報、つまり非言語コミュニケーションとしてのデザインです。
情報の整理整頓
余白が適切に取られ、見出しや文章がきれいに揃っているか。ごちゃごちゃしていないか。
画像のクオリティ
画質が荒い写真や、明らかに古い印象のイラストばかりになっていないか。
実際の現場やスタッフの写真があるかどうかも、信頼感に影響します。
配色のバランス
色数が多すぎて目が疲れないか。会社のイメージと合った落ち着きがあるか。
人が身だしなみで第一印象を判断されるのと同じように、ホームページも見た目の清潔感で判断されます。どれだけ良いサービス内容を文章で伝えていても、「なんとなく怪しい」「素人っぽい」と感じられると、その先を読んでもらえません。
まずは「話を聞いてみよう」と思ってもらえる土台を作ること。これが、デザインが担う最初の役割です。
2. ユーザビリティ(使いやすさ)の向上
次に大切なのが、「使いやすさ」の設計です。
ここでのデザインは、UI(ユーザーインターフェース) と呼ばれる領域で、画面上のボタン・メニュー・文字など、ユーザーが目にする操作部分の設計を指します。
ナビゲーションの配置
グローバルメニューやハンバーガーメニュー(スマホでよくある三本線のボタン)が、直感的に見つけやすい位置にあるか。
可読性(読みやすさ)
フォントサイズ、行間、文字色のコントラストは適切か。
特にスマートフォンで見たときに、「指でタップしやすいボタンサイズか」「誤タップを招いていないか」は重要な視点です。
現在地の明示
パンくずリスト(トップ > 事業内容 > ○○業務 など)や見出しのデザインによって、自分が今どのページを見ているのか、迷子にならずに把握できるか。
「使いにくさ」は、ユーザーのストレスに直結し、すぐ離脱につながります。
逆に、ユーザーに余計な考え事をさせず、「何となく触っていても自然と目的の情報にたどり着ける」状態が、優れたUIデザインと言えます。
3. 視線誘導とコンバージョンへの案内
ホームページには、必ず何らかのゴール(コンバージョン)があるはずです。
BtoBであれば「お問い合わせ」や「資料請求」、採用サイトなら「エントリーフォーム」、ECサイトであれば「購入完了」などです。
デザインの役割は、ユーザーがそのゴールにたどり着きやすいように 視線と動線を整えること です。
人の視線の動きには、
Z型(左上から右上→左下→右下へ)
F型(左上から右へ読み、少し下に移動してまた左から読む)
といったパターンがあるとされ、特にテキスト中心のページではよく見られます。
この傾向を踏まえ、重要な情報やボタンを視線の流れに沿って配置することで、読みやすさと誘導力が高まります。
CTA(Call To Action:行動喚起)ボタンも重要です。
「お問い合わせはこちら」と書かれたボタンが背景と同じような色で埋もれていたり、クリックできるかどうか分かりづらかったりすると、それだけで機会損失です。
- 周囲とは違うアクセントカラーを使う
- マウスを乗せたときやタップしたときに、少し動きや影をつける
- 「無料相談」「資料ダウンロード」など、押した結果がイメージしやすい文言にする
といった工夫で、「ここを押すと次に進める」というメッセージを視覚的に伝えます。
4. ブランディング(世界観の伝達)
最後に、企業やサービスの「らしさ」を伝える役割です。
同じレイアウトでも、フォントや写真、色使いが変わるだけで、受け取られる印象はまったく違ってきます。
例えば、高級ホテルのWebサイトであれば、落ち着いた配色や余白を活かしたレイアウト、細身の明朝体フォントなどによって、「上質さ」「静けさ」「非日常感」を表現します。
一方、ディスカウントストアのサイトであれば、太いゴシック体と赤や黄色の暖色系を使い、「元気さ」「安さ」「にぎやかさ」を表現します。
ここで大事なのは、この「らしさ」がターゲットユーザーの期待とズレていないかどうかです。
たとえば、BtoBの製造業サイトで、あまりにポップでかわいらしいデザインにしてしまうと、「本当に技術力のある会社なのだろうか?」と不安を与えてしまうおそれがあります。
企業が大切にしている理念や強みを、言葉だけでなくビジュアルの世界観として翻訳し、ユーザーの感覚に働きかけること。これが、ブランディングとしてのデザインの役割です。
成果を出すための「ユーザー目線」の正体
多くの教科書や記事で「ユーザー目線が大事」と書かれていますが、実際には何をすれば「ユーザー目線のデザイン」になるのでしょうか。
ここでポイントになるのが、デザイン作業に入る前の 準備段階 です。実は、PhotoshopやFigmaなどのデザインツールを開く前に、勝負の大部分は決まっています。
ターゲットの解像度を極限まで上げる
「30代女性」「中小企業の経営者」といった大まかなターゲット設定だけでは、デザインの方向性は定まりません。
同じ30代女性でも、
- 独身でキャリアアップ志向が強く、多少高くても時短になるサービスを選びたい人
- 子育て中で家計を重視し、価格と安心・安全を最重要視する人
では、響く言葉も、好まれる色も、知りたい情報もまったく違います。
そこで役に立つのが「ペルソナ(架空の代表的なお客様像)」です。
どのデバイスでサイトを見ることが多いか(通勤中のスマホか、会社のPCか)
どんな悩みを持って検索窓にキーワードを打ち込んだのか
サイトを見終わったときに、どのような気持ちになっていれば成功と言えるか
ここまで具体的にイメージすると、「このペルソナなら、ファーストビューで結論が見えないと離脱するだろう」「専門用語を減らし、図やイラストを多めにした方が伝わりやすい」といった、デザイン上の判断基準が見えてきます。
競合他社ではなく「顧客」を見る
デザインを考えるとき、多くの企業がまず競合他社のサイトを見ます。
もちろん、競合分析は大切ですが、「A社がこうしているから、うちも同じようにしよう」という発想だけで進めてしまうのは危険です。競合企業が必ずしも正解を出しているとは限らないからです。
見るべきは、競合そのものよりも「自社のお客様」です。
可能であれば、既存顧客へのヒアリングや、営業担当者からの情報収集がおすすめです。
お客様はどんな資料を欲しがっているのか
打ち合わせでよく聞かれる質問は何か
「ここが分かりにくい」と言われたポイントはどこか
こうした生の声は、デザインの方針決定にそのまま活かせます。
たとえば、「お客様はスペック表より導入事例の写真を詳しく見たがっている」という情報があれば、トップページで綺麗なイメージ写真を並べるよりも、現場の事例写真をしっかり見せたほうが、成果につながるデザインになる可能性が高いと言えます。
ホームページデザイン発注者と制作者がワンチームになるためのポイント
最後に、これからホームページ制作を進めるにあたって、デザインで失敗しないための「発注側の関わり方」のポイントを整理します。
デザイナーにどう要望を伝えるかで、仕上がりは大きく変わります。
「答え」ではなく「課題」を伝える
修正の指示でよくあるのが、
「ここの色を赤にしてください」
「この写真を右側に移してください」
といった作業の指示だけを伝えてしまうパターンです。
もちろん、具体的なイメージがある場合に指示を出すこと自体は悪いことではありませんが、プロのデザイナーには、現在の色や配置を選んでいる理由があります。
そこで意識したいのが、「やってほしい操作」ではなく「解決したい課題」を伝えることです。
× 悪い例:「ボタンを赤くして大きくしてください」
○ 良い例:「このページの一番の目的はお問い合わせですが、今のデザインだとボタンが少し目立たず、見落とされてしまいそうです。もっとクリックしたくなる見せ方に変えられますか?」
このように伝えると、デザイナーは「赤くする」だけでなく、
周りに余白を取り、視線が集まるようにする
アイコンを添えて、ボタンの意味を分かりやすくする
ボタンの文言自体を見直す
など、プロの視点で複数の案を出すことができます。
デザイナーを指示どおりに動く作業者としてではなく、一緒に考えるパートナーとして扱うことで、デザインの質は大きく変わってきます。
「誰が言うか」ではなく「誰に向けて」で判断する
デザインの確認中に、社内で意見が割れることはよくあります。
そのときに大事なのは、常に「原点」に戻ることです。
「部長がこう言っているから」ではなく、「今回のターゲットである○○さん(ペルソナ)なら、どちらの方が分かりやすいだろうか」
という問いを、打ち合わせの場で共有することが有効です。
主語を「私たち」「社内」から「ユーザー」に切り替えるだけで、議論の方向性は変わります。
ホームページは会社の持ち物ではありますが、実際に使うのはユーザーです。ユーザーにとって役に立つデザインになっているかどうかが、結果としてGoogleの評価や検索順位にも影響してきます。
まとめ:デザインは経営課題を解決するための「投資」である
ここまで、ホームページ制作におけるデザインの役割について、いくつかの切り口から見てきました。重要なポイントを整理すると、次のようになります。
- デザインは装飾ではない
見た目を整えるだけでなく、「課題解決のための設計図」として機能させることが求められます。 - 失敗の多くは準備不足から始まる
ターゲットが曖昧なまま進めたり、コンテンツが固まらないうちにデザインだけ先行してしまったり、社内の好みで決めてしまうと、成果につながりにくくなります。 - デザインには「4つの役割」がある
「信頼性の担保」「使いやすさの向上」「コンバージョンへの誘導」「ブランディング」の4つを意識することで、サイト全体の完成度が変わってきます。 - ユーザー目線とは、具体的な一人を思い描くこと
抽象的なお客様全般ではなく、ペルソナとして具体的な人物像を描き、その人の感情や行動に想像力を働かせることで、デザインの判断基準が明確になります。
これからのWeb制作において、デザインにかける費用や時間は、単なる「コスト」ではなく、経営課題を解決するための投資と考えることができます。
見た目のインパクトももちろん大切ですが、それ以上に、
必要な情報がきちんと伝わるか
ユーザーが迷わず行動できるか
自社らしさや信頼感がしっかり伝わっているか
にこだわることが、長い目で見て成果につながるデザインになります。
もし現在、「ホームページからの問い合わせが少ない」「うまく活用できていない」と感じておられるようであれば、一度「見た目が気に入るかどうか」という観点を横に置いて、このデザインは、誰の、どんな課題を解決しようとしているのかという問いかけで、自社サイトを見直してみてください。
その視点から改めてサイトを眺めてみると、次に手を入れるべきポイントや、改善のヒントが見えてくるはずです。
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