初めに知っておきたいWEB制作の流れ

ホームページを制作する流れは大きく分けて「ヒアリング・企画立案・要件定義」「デザイン制作・実装」「ホームページ公開・運用開始」の3段階に分けられます。また3段階の前に、制作の基本となる業者選びや見積もりについて、制作をスタートする前に知っておくと役立つこともあります。
本記事では、そのような初めに知っておきたいホームページ制作の流れについて説明します。

WEB制作の基本

ホームページを制作するといっても、制作会社に依頼してすぐにデザインを作り始めるわけではありません。いきなりホームページの担当者に抜擢された、という企業担当者の方は何から始めたらいいか戸惑いますが、まずは制作会社を探すところからスタートとなります。

制作会社との打合せの中で、これから制作するホームページの内容についてヒアリングがあり、その後制作会社から企画書や見積書の提出、それに合意すると契約という流れになります。

制作会社を選ぶ前に知っておくこと

ホームページの制作会社を選ぶといっても、現在ホームページを制作できる会社は数多く存在します。またそれぞれの会社によって得意とする事は異なるため、どの制作会社に依頼すると成果が出るかについては、まずどんなホームページを制作したいかを企業側で決めておかないと、数多くの制作会社から最適な選択をすることが出来ません。

ホームページの種類について

まずはこれから制作したいホームページについて、どんな種類のホームページにするのかを決めておくとスムーズです。例えばコーポレートサイトやサービスサイト、採用サイト、ECサイトなどの種類があります。

この種類を決めるときには、ホームページの目的が関わってきます。何のためにホームページを制作するのかによって種類が決まるので、これから制作するホームページの目的を確認して、種類を決めます。

的を絞って制作会社を選ぶ

これから制作するホームページの業種によっては、それに特化している制作会社があります。例えば製造業や士業などは、その業種だけを専門として制作しており、実績多数の制作会社もあります。
また、更新システムや顧客システム、ECサイトなどシステムを入れたい場合なども、システムや機能のカスタマイズを得意とする制作会社があります。

このように、どんなホームページを制作したいのかを決めてから、的を絞って制作会社を探すと、その強みを生かしたホームページを制作することができます。

見積書提出から契約までの流れ

制作会社をピックアップして問い合わせてみると、さらにその会社の雰囲気が分かったり、改めてその制作会社の強みや実績を確認することができます。そして制作会社から依頼者へ、これから制作するホームページについてヒアリングが行われます。その内容は、ホームページを制作する際の目的やターゲット、会社の魅力や掲載する商品のアピールポイントとなります。

ヒアリング内容を元に、ホームページの構成やデザイン、今後の運用フローなどを盛り込んだ企画立案を行い、最後に見積りを提出する流れとなります。

見積り金額だけ知りたい場合

早くホームページの見積もりが欲しいという問い合わせも制作会社には届くのですが、制作するホームページの概要が分かっていないと、制作会社としては見積もり金額を提示することは出来ません。ホームページのボリュームや、システム・プログラムは必要か、納期や予算などをヒアリングした上で初めて見積りを出すことができます。

そのため見積り金額だけ知りたい場合でも、ある程度の情報を持ってホームページの制作会社へ問い合わせを行うことをおすすめします。

見積書提出からご契約、制作の流れ

制作会社から見積書が提出されて、内容に問題がなければ契約の手続きが行われます。正式に契約となれば、ここからがホームページ制作のスタートとなります。さらにヒアリング事項を掘り下げて、詳細なホームページの構成を作ったり、要件定義が実施されます。

ヒアリング・企画立案・要件定義

ヒアリングと企画立案は、制作会社によっては順番が前後する場合もありますが、一般的には制作の契約前に行います。ヒアリングした内容を元に、どんなホームページにするか制作会社が企画立案を行い、正式にホームページを制作することが決定し契約した後に、要件定義の実施へ移ります。

ではそれぞれの項目の詳細について解説します。

ヒアリング・企画立案について

ヒアリングとは、相手の要望や意見を詳しく聞くことです。
ホームページを制作する際のヒアリングは、どんなホームページを制作したいか、という要望だけではなく、さらに詳細に、なぜホームページを制作することになったのか、といった背景や、何件のコンバージョンが欲しいといった求める成果についても聞いていきます。

ヒアリングの具体的な内容とは

ホームページを制作するためのヒアリングの具体的な内容は、以下になります。

・会社の基本情報、サービス内容や強み
・制作の目的
・ターゲット、見込み客
・現ホームページの内容
・ホームページの仕様、更新システムなど
・求める成果
・予算
・納期

人によっては、ヒアリング内容を全て答えられないという方もいます。そういう方には、制作会社の担当者と一緒に考えたり、同じ業種のホームページを参考にしながらヒアリングを続けています。
ヒアリングで重要なことは、ホームページ制作の方向性を決めることです。これから企画を作る段階で、何を目的にどんな結果を求めたホームページを制作していくかがはっきりとしていると、より緻密な設計のもと企画立案が出来るのです。

企画立案とは

企画立案とは、ヒアリングの内容を元にして、ホームページの業者から依頼者に、どんなホームページを制作するのかという具体的な内容を提案することです。
成果の出るホームページを制作するために、同じ業種のホームページや既に成果の出ているホームページの特徴を分析して、このサービスの場合であればこのようなコンテンツを提供するといった企画や、SEO対策を考えて更新システムを導入する、などホームページ構成、デザイン・機能面、運用面などあらゆる提案をします。

この企画をクライアントへ提出し、合意のもと契約に移り、要件定義の実施を行います。

要件定義の実施とは

要件定義とは、何を目的として誰に向けてどんなホームページを作るのかを決めることです。またそのために何が必要なのかまで詳細に決めることをいいます。企画立案と似ていますが、企画立案の段階では制作会社がヒアリング内容を元に依頼者に提案している企画のため、要件定義とは少し異なります。

要件定義とは、企画立案の内容を元にして再度依頼者の意向も踏まえながら打合せを重ねて決めることです。

要件定義はなぜ必要なのか

ホームページ制作は、規模が大きくなると半年~一年ほどかかる場合もあります。長くプロジェクトを進行していると、行き詰ったり、予期せぬ事態やスケジュールが遅れてしまう場合もあります。
そんなときに要件定義で詳細の内容まで決めてあると、再度当初の計画を確認できてトラブルを回避できたり、各フェーズで担当者による認識のズレがあれば修正することができ、それぞれの任務を効率よく遂行することができます。

要件定義の内容

ホームページ制作の要件定義を実施するときに、決めることは以下になります。案件の規模により省略される項目もあります。

・制作の背景と目的
・現状分析・競合調査
・ターゲット
・システム要件
・サイトマップ
・スケジュール
・予算
・プロジェクト体制

要件定義後からデザイン制作までの流れ

要件定義が実施されると、要件定義書としてまとめられてプロジェクトに関わるメンバーに共有されます。そしてその後、ホームページの構成に移ります。

構成の段階では、ホームページにどんなコンテンツを入れるのかや、どのページにどんな写真や文章を当てはめるかなどを、大まかに決めていきます。そして次がワイヤーフレームの提出です。デザイン制作で色を乗せる前に、各ページごとに、細かい配置やレイアウトを決めます。ワイヤーフレームが完成するとデザイン制作のフェーズに入っていきます。

デザイン制作・実装

ホームページのデザインは、依頼者にとっては今まで準備してきた内容がやっと形になり、一気にホームページ完成へのイメージが沸くフェーズです。そしてホームページの実装に移ると、画面でスクロールやクリックが出来るようになるため、まもなく完成間近となります。

ホームページのデザインについて

ホームページのデザインは、事前に決まったワイヤーフレームに沿ってデザイナーがデザインします。

デザイン提出の流れ

ホームページのデザインはまずトップページのデザインから制作します。トップページのデザインを提出して、完成した後、下層ページの制作へと進行していきます。トップページの修正中に、下層ページを制作してしまうと、トップページの修正と下層ページの修正を二重で行う必要が出てきたり、途中でトップページの方向性が変わってしまった場合には、全体のページの統一が図れないという問題が出てきます。

そのためデザインに関して気になる点は、気付いたタイミングでなるべく早く制作会社へ伝えるとスムーズです。後々になって、前に提出していたあの部分のデザインを修正してほしいと伝えると、フェーズを戻って修正したり、すでに進行しているので修正が難しかったりするためです。

実装のときに気を付けること

ホームページのデザインが完成すると、続いてコーディングに移ります。

コーディングからシステム実装まで

コーディングとは、デザインのデータをhtmlに変換し、実際にWEBで見れる状態にすることです。コーディングを行うことによって、デザイン段階では動かなかったボタンがクリックできるようになります。
コーディングが完成すると、次にシステム開発・実装に移ります。

システム実装は、お問い合わせフォームがある場合に、そのフォームの実装がシステム部分に当てはまります。他にもブログや事例投稿など、更新システムの導入がある場合には、システムの実装になります。

メールフォームを実装するとき

メールフォームを実装する場合には、正しく内容が送信されているのか、動きをチェックすることが重要です。制作会社もチェックを行いますが、ホームページ公開後に問い合わせが来た際に対応する担当者が、問題なく内容を確認したりメールの送受信が出来るか確認することもポイントです。

ホームページ公開・運用開始

公開までの流れ

ホームページの実装が完了すると、いよいよホームページの公開です。完了してすぐに公開する場合や、公開日時を指定している場合もあるので、事前に社内の関係部署に確認してから公開となります。
また公開前には、制作会社と依頼者で全ページのチェックを行います。誤字脱字チェックや、画像のチェック、想定している動きが出来ているのかを確認します。

運用開始について

ホームページが公開されると同時に、運用がスタートします。運用方法については、事前のヒアリングや要件定義の段階で、誰がどのような運用をするのか決まっていることがほとんどです。

ホームページ制作の目的を達成するためには、日々の運用が欠かせません。そのため、ホームページ公開後にSEO対策やアクセス解析などWEBマーケティングを開始します。
運用内容はブログなどの更新作業であったり、キャンペーン企画の実施、アクセス解析について毎月の打合せなど、ホームページから求める成果によって異なります。
それらを実施して、成果を確認しながらPDCAを回してホームページを運用していきます。

ホームページ制作の流れまとめ

ホームページの制作については、制作が実際にスタートする前段階の「ヒアリング・企画立案・要件定義」という事前準備が大切で、またそれに伴いかなり時間も割いて行います。

すぐにデザインを開始するわけではなく、どんな目的でホームページを制作し、誰にどういう行動を取ってほしいのかを決めてから、構成や設計に入り、その後に「デザイン制作・実装」という段階に移るのです。

そこでホームページが問題なく動けば最終段階の「ホームページ公開・運用開始」となります。
初めてホームページを制作する人にとっては、事前準備が長く感じるかもしれませんが、最初のフェーズで土台をしっかり作ると、成果の出るホームページ制作につながります。