ホームページの表示速度を改善してSEO効果を高める
ホームページの表示速度は集客や問い合わせに直結します。PageSpeed Insightsでの確認方法から、画像・サーバー・CMSの具体的な改善策まで、解説します。
目次
ホームページの表示速度はなぜ重要?
「ホームページの表示速度」と聞くと、専門的で自社には関係のない話のように思われるかもしれません。
しかし、この速度は単に早いか遅いかというだけでなく、実際にはユーザーの満足度・お問い合わせ数など、経営に直結する大切な要素です。
この記事では、表示速度がなぜ重要なのか、その理由と改善の考え方を分かりやすく整理しました。普段あまりITに触れない方でも理解しやすい内容となっていますので、ぜひ今後のホームページ運用にお役立てください。
理由1:ユーザー(お客様)の離脱を防ぎ、満足度を高める
皆さまも、ホームページを開いた際に「なかなか表示されず、待ちきれなくなった」という経験があるのではないでしょうか。実際、いくつかの調査では、ページ表示に数秒かかるだけでも離脱率が大きく増えると言われています。
せっかく興味を持って訪れてくれたお客様でも、表示が遅いだけで「今回はやめておこう」と別の会社のサイトへ向かってしまう場合があります。これは企業にとって、大きな機会損失です。
表示速度を改善することで、訪問したお客様がストレスなく情報を得られるようになります。スムーズに閲覧できれば、サービス内容への理解も深まり、問い合わせや資料請求など次のアクションにもつながりやすくなります。
お客様の満足度を高めるためにも、表示速度は軽視できない重要なポイントと言えるでしょう。
理由2:Googleも重視する「SEO評価」への影響
Googleは、検索結果の順位を決める際に、さまざまな観点からホームページを評価しています。その中に「表示速度」も含まれており、特に Core Web Vitals(コア ウェブ バイタル) という指標でユーザー体験を測定しています。
(参考:Core Web Vitals と Google 検索の検索結果について)
Googleが表示速度を重視する理由は明確です。
「ユーザーが使いやすいサイトを上位に届けたい」という考えがあるためです。表示が遅いサイトはユーザーに負担がかかり、良い体験とは言えません。
そのため、表示速度の改善は、検索順位に直接影響する可能性があります。もちろん、表示速度だけで順位が決まるわけではありませんが、Googleが重要視する要素のひとつであることは間違いありません。
内容がどれほど良くても、速度が遅いと評価が下がりやすくなるため、SEO対策の一環として見直しておきたい項目です。
御社のホームページは大丈夫?「PageSpeed Insights」で現状を把握
表示速度の重要性が分かったところで、次に気になるのが「うちのホームページはどれくらい速いのか?」という点です。これは感覚ではなく、客観的に把握することが大切です。
Googleは、表示速度を測定できる無料ツールを提供しています。これを使えば、特別な知識がなくても現在の状態をすぐ確認できます。
PageSpeed Insightsとは?無料で使えるGoogle公式の分析ツール
PageSpeed Insights(ページスピード インサイト) は、Googleが提供している無料の診断ツールで、Webサイトの表示速度を数値化し、改善すべき点を具体的に教えてくれます。
URLを入力するだけで結果が表示されるため、どなたでも使いやすい仕組みです。

このツールの便利な点は、
「どこが遅い原因になっているのか」
「どの部分を改善すれば、どの程度効果があるのか」
といった具体的なアドバイスまで確認できることです。
まずは、あなたの会社のホームページURLを入力し、「分析」ボタンをクリックしてください。
点数の見方:まずは「モバイル版」の点数に注目
PageSpeed Insights の診断結果では、「モバイル」と「デスクトップ」という2つのスコアが表示されます。どちらも100点満点で、点数が高いほど表示速度が良好であることを示します。

この中で、まず確認しておきたいのが 「モバイル」の点数 です。
現在は多くのユーザーがスマートフォンからWebサイトを閲覧しており、Googleもモバイル表示を特に重視しています。
理想としては高得点を目指したいところですが、まずは50点以上を目標に、段階的に改善を進めるのが現実的です。
50点以下と点数が低くても、焦る必要はありません。改善を重ねていくことで、確実に状態は良くなります。
何を改善すればいい?「改善できる項目」をチェック
診断結果の下部には「改善できる項目」という欄があります。ここには、
「なぜ表示速度が遅いのか」
「どこを調整すると効果が期待できるのか」
といった具体的な指摘が並びます。

例としては、
- 「画像のサイズを最適化してください」
- 「CSS(サイトデザインのルール)を縮小してください」
- 「不要なJavaScriptを削除してください」
といった項目が表示されることがあります。最初は専門的に見えますが、それぞれの項目をクリックすると、さらに詳細な説明や該当ファイルが確認できます。
まずは、 「影響の大きいもの」や「自社で対応できそうなもの」 から取り組むとスムーズです。
もし専門的で判断が難しい場合は、この結果をホームページ制作会社やWeb担当者に共有するだけでも十分です。
どこから改善すべきか、適切な提案を受けやすくなります。
今すぐ取り組めるホームページの表示速度改善
PageSpeed Insights の結果を見ると、専門用語が多く「どこから手をつければいいのか分からない」という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、小さな取り組みでも、表示速度の向上を実感できることは多くあります。まずは、次のような基本的な対策から始めてみましょう。
対策1:画像ファイルを軽くする(圧縮・適切なサイズ調整)
ホームページを重くする原因の多くは「大きすぎる画像ファイル」です。スマートフォンで撮影した写真をそのまま使ったり、必要以上に大きなデータをアップしてしまうケースがよく見られます。
画像の圧縮
見た目の品質を損なわずに、ファイルのサイズだけを小さくする方法です。
TinyPNGや Squooshといった無料のオンラインツールを使えば、誰でも簡単に圧縮できます。
(以下にリンクを掲載しておりますが、ご利用は自己責任にてお願いいたします)
また、Googleが開発した次世代の画像フォーマットの「.webp」も最近多くみかけますね。
サイズの最適化
たとえば横幅1,000pxで表示される場所に、4,000pxの画像を載せても意味がありません。
実際の表示サイズに合わせて縮小するだけで、読み込みが大幅に速くなります。
画像を最適化するだけでも、PageSpeed Insightsのスコアが大きく改善するケースは珍しくありません。
対策2:Webフォントやアイコンの読み込みを見直す
最近のホームページでは、Google FontsなどのWebフォントや、アイコン画像(SVGなど)を使用することが一般的になりました。ただし、設定によっては読み込み量が増え、表示が遅くなる場合があります。
使用していないフォントを削除する
デザインの変更後、使われていないWebフォントが読み込まれたままになっていないか確認しましょう。
必要なスタイルだけ読み込む
フォントには太字・斜体など複数のスタイルが含まれます。実際に使うスタイルだけ読み込む設定にすると軽量化できます。
アイコンをまとめて読み込む
複数のアイコンを個別に読み込むのではなく、SVGスプライトやCSSスプライトのように“まとめて読み込む”方法もあります。
もし対応方法が分からない場合は、ホームページ制作会社に「フォントやアイコンの読み込みを最適化できるか」相談するとよいでしょう。
対策3:不要なプログラム(JavaScript)を整理する
ホームページには、スライドショー、アニメーション、チャット機能など、さまざまなプログラム(JavaScript)が組み込まれています。多すぎたり、使われていないものが残っていると、表示速度が遅くなる原因になります。
現在使っている機能を整理する
過去に導入したものの、現在は使っていないスライダーや機能が残っていないか確認してみましょう。不要なものは削除することで軽量化できます。
読み込みの優先順位を調整する
見た目を表示するために必要なコードは優先し、後からでもよい処理は後回しにすることも有効です。これは専門的な作業となるため、制作会社に相談するのが安心です。
また、WordPressなどの管理画面を使っている場合、プラグインが多すぎると表示速度が低下しやすくなります。使っていないプラグインがあれば整理しておくと良いでしょう。
もう一歩踏み込んだホームページ表示速度改善のポイント
これまでご紹介した対策は、比較的取り組みやすい「第一歩」といえる内容でした。
さらに表示速度を向上させ、SEO効果を高めたい場合は、もう少し専門的なアプローチが有効になります。
ここでは、ホームページ制作の現場でよく行われる改善ポイントを3つご紹介します。
ポイント1:サーバー環境を見直す(高速サーバーへの移行)
ホームページを表示するための土台となるのがサーバーです。
サーバーの性能は表示速度に直結するため、どれだけ画像を軽くしたりプログラムを調整しても、サーバー自体が遅いと大きな改善は期待できません。
たとえば、次のような状況に心当たりはないでしょうか。
- アクセスが増える時間帯だけサイトが重くなる
- PHPのバージョンが古く、最新技術に対応していない
- 管理画面の動作も遅く、全体的に重い
もしこれらに該当する場合は、より高性能なサーバーへの移行を検討してみる価値があります。
サーバー会社やホームページ制作会社に相談すると、最適なプランを提案してもらえるでしょう。
ポイント2:キャッシュ機能を活用する(再訪問時の表示を高速化)
「キャッシュ」とは、一度読み込んだページの情報を一時的に保存し、次回アクセス時の表示を早くする仕組みです。
キャッシュにはいくつか種類があります。
- ブラウザキャッシュ: 利用者のブラウザ(Chrome・Safariなど)に画像やデータを保存する仕組み
- サーバーキャッシュ: サーバー側で、よく表示されるページの内容を保存しておく仕組み
これらを正しく設定しておくと、同じユーザーが再訪したときの表示速度が大幅に改善されます。
WordPressの場合は、プラグインで簡単に導入できることも多く、ホームページ制作会社に相談すれば適切な設定を行ってくれます。
ポイント3:ホームページのシステム(CMS)を最適化する
WordPress のようなCMS(コンテンツ管理システム)は便利ですが、設定によっては表示速度の足を引っ張ることがあります。以下のような点が原因になることがあります。
重いテーマを使用している
機能が多く見た目が豪華なテーマほど、読み込むコードが増え、速度が低下しやすくなります。
プラグインが多すぎる
プラグイン同士が競合したり、不必要な処理が積み重なることで重くなります。
使っていないプラグインは削除し、必要最低限に絞ることが重要です。
データベースの不要データが蓄積している
CMSは記事の履歴や不要データが溜まりやすいため、定期的にクリーニングすることで処理速度が向上します。
CMSの最適化は専門的な作業が多いため、「サイトが全体的に重い」「WordPressの管理画面も遅い」と感じたら、制作会社に相談して内部構造から見直してもらうと安心です。
ここに挙げた点以外では、CMSとしての機能をあまり活用できていないのであれば、ホームページを静的HTMLにしてしまうのも手です。
ホームページの表示速度改善は「継続」が大切
ここまで、表示速度の重要性と、その改善方法について見てきました。
表示速度の改善は、一度対策すれば完了するものではなく、定期的な見直しが必要な取り組みです。ホームページは、記事の追加や画像の変更、新しい機能の導入など、日々変化していくものです。そのたびに、表示速度が少しずつ低下することがあります。
たとえば、以下のようなことは実務ではよく起こります。
- 新しい担当者が、大きな画像をそのままアップロードしてしまった
- 便利そうだから追加したプラグインが、実はサイトを重くしていた
そのため、定期的に PageSpeed Insights を確認したり、重要なコンテンツを公開したタイミングで診断することをおすすめします。小まめに状態を確認すれば、問題を早い段階で見つけられ、安定した表示速度を維持しやすくなります。
プロの制作会社に相談するメリット
「自分で改善しようとしたけれど、どこから手をつければいいか難しい」
「診断結果を見ても、専門的な内容で判断できない」
そんな場合は、プロのホームページ制作会社に相談することも大切な選択肢です。
制作会社には、表示速度改善に関するノウハウを持ったエンジニアがおり、
- サーバーやCMSの設定状況を細かく診断し、原因を突き止めてくれる
- PageSpeed Insights よりさらに詳細な分析ツールを使って、問題点を洗い出してくれる
- サイトの状況に合わせた改善計画を提案し、実際の調整まで行ってくれる
という、専門的なサポートが受けられます。
ホームページの表示速度は、Googleの評価、お客様の満足度に直結します。
費用はかかりますが、そのぶん速度改善できた際の成果も期待できます。
まとめ:ユーザーにもGoogleにも喜ばれる「速くて使いやすいホームページ」に
表示速度の改善は、技術的な調整に見えますが、実際にはユーザー(お客様)にとっての使いやすさを高め、結果として Googleからの評価向上にもつながる重要な取り組みです。
- お客様にとっては、ストレスなく情報を得られる快適な閲覧体験
- Googleにとっては、ユーザーを大切にしている高品質なサイト
- 企業にとっては、問い合わせや購入につながりやすいホームページ
という3つのメリットが期待できます。
まずは、PageSpeed Insights で現状を把握し、できる範囲から改善を進めてみてください。
もし難しいと感じるところがあれば、遠慮なくクレフにご相談ください。確実に前進できます。
表示速度の改善を積み重ね、ユーザー(お客様)にもGoogleにも選ばれる「速くて使いやすいホームページ」を実現していきましょう。

