中小・零細企業のホームページ運営でよくある失敗事例7選!兼務や属人化を防ぐ対策

中小・零細企業のホームページ運営でよくある失敗事例7選!兼務や属人化を防ぐ対策

現代のビジネスでは、企業のホームページは「会社案内の代わり」ではなく、お客様や取引先が最初に情報を得るための重要な窓口になっています。使い方次第では、24時間体制で自社の魅力を伝えてくれる営業ツールにもなり得ます。

一方で、多くの中小企業では、せっかく時間と費用をかけてホームページを作っても、思うように活用できず、「お荷物」「更新が負担」と感じられているケースも少なくありません。

「それなりの費用をかけて作ったのに、問い合わせがほとんど来ない」
「担当者が退職してしまい、誰も更新方法がわからない」
「社長の一言で方針が何度も変わり、現場が疲弊している」

こうしたお悩みをお持ちの中小企業は非常に多く、背景には共通したパターンがあります。

この記事では、中小企業のホームページ運営でよくある失敗事例を7つに整理し、その原因と対策を具体的に解説します。よくあるつまずき方をあらかじめ理解しておくことで、ホームページを「コスト」ではなく「利益を生む資産」に育てていく道筋が見えてきます。

目次

中小企業のホームページ運営で「作れば売れる」は危険な思い込み

中小企業の経営者様とお話ししていると、「ホームページさえ作れば、ある程度は自動的に集客できるのではないか」という期待を耳にすることがあります。しかし、ホームページは公開した瞬間がゴールではなく、むしろ「運営のスタートライン」に立ったにすぎません。

 この認識のズレが、中小企業のホームページ運営によくある失敗の出発点となっていることが多く見られます。

1-1. ホームページは「完成」からが本番──更新し続けることの意味

「高い費用を払ってホームページを作ったのだから、あとはそのままでお客様が増えるだろう」

もしこのようにお考えであれば、少し発想を変えていただく必要があります。今のインターネット環境では、「作っただけ」で自然と集客できるケースはほとんどありません。

インターネット上には同業他社を含めて膨大な数のサイトがあり、その多くが定期的に情報を更新しています。その中で、長期間ほとんど更新されていないホームページは、ユーザーからも検索エンジンからも選ばれにくくなってしまいます。特に、以下のような状態は注意が必要です。

  • お知らせの最終更新日が数年前のまま
  • 消費税増税前の価格表記がそのまま残っている
  • 終了したキャンペーンがずっと掲載されている

こうしたページを見ると、「この会社は今もきちんと営業しているのだろうか」「情報管理が行き届いていないのではないか」と不安を感じさせてしまいます。

ホームページは、一度作って終わりのパンフレットではなく、会社の日常や強みを少しずつ追加していく「情報発信の場」です。日々の業務実績、導入事例、新商品の案内、お客様の声などを地道に積み重ねていくことで、ようやく本来の力を発揮します。

 「作って終わり」ではなく、「時間をかけて育てていくもの」という意識に切り替えることが、中小企業 ホームページ運営 よくある失敗事例から抜け出す第一歩です。

1-2. 集客できない本当の原因は「運営戦略」の欠如

「ブログを書いているのに問い合わせが増えない」
「スタッフに更新を任せているが、成果につながっている実感がない」

このような場合、単に更新の量が足りないのではなく、「何のために、誰に向けて、どんな内容を発信するのか」という運営戦略があいまいなことがほとんどです。

 例えば、ブログ記事が次のような内容ばかりになっていないでしょうか。

  • 社内イベントの報告だけが延々と続いている
  • 「今日は暑いですね」「最近忙しいです」といった日記に近い内容が多い
  • お客様の知りたい情報よりも、自社の都合ばかりが書かれている

親近感を持っていただく上で、こうした記事も一部は有効ですが、ホームページからの問い合わせや資料請求を増やしたいのであれば、ターゲットとなるお客様が「どんな悩みや疑問を持っているのか」「何を比較・検討しているのか」を軸に内容を考えていく必要があります。

 基本的には、次の3点をセットで考えることが重要です。

  • 誰に届けるのか(ターゲット)
  • 何を伝えるのか(コンテンツ)
  • どのような行動をしてほしいのか(問い合わせ・資料請求・来店など)

この「設計図」を持たずに更新を続けても、なかなか成果につながりません。一度立ち止まり、自社の強みとお客様のニーズを整理したうえで、ホームページの役割と方向性を明確にしておくことが大切です。

1-3. 目標(KPI)がない運営は、必ず行き詰まる

ホームページ運営を続けていると、「更新している割には成果が見えない」「何が良くて何が悪いのか分からない」という声が出てきます。多くの場合、その背景には「数字で確認するための目標設定」がないことがあります。

よく使われる指標として、KGIとKPIがあります。

  • KGI:最終的なゴール(例:月間の問い合わせ件数、売上金額など)
  • KPI:その途中経過を測る指標(例:アクセス数、特定ページの閲覧数、問い合わせ率など)

 例えば、「月に10件の新規問い合わせを目指す(KGI)」と決めた場合、それを実現するためにKPIを設定します。

  • 月間のアクセス数をどの程度まで増やすのか
  • 問い合わせページまで進む人の割合をどこまで高めるのか
  • そのために、記事を毎月何本公開するのか

KPIを設定しておくことで、取り組みの方向性がはっきりしてきます。

数字があると、「アクセス数は増えているが、問い合わせ率が低いからフォームの見直しをしよう」「検索順位が伸びていないから、記事の内容を改善しよう」といった具体的な改善策も見えやすくなります。

感覚や雰囲気ではなく、データに基づいて運営を見直していくことが、再現性のある成功につながります。
このような事態に陥らないためにも、まずは無理のない範囲で、測定可能な目標づくりから始めてみてください。

失敗事例1:ホームページ担当者の「兼務」と「人選ミス」による停滞

多くの中小企業では、ホームページの専任担当者を置くことが難しく、営業や総務など他の業務との「兼務」で任せているケースがほとんどです。このやり方自体は珍しくありませんが、運営が滞る大きな原因になっていることも事実です。

さらに、「パソコンが得意そうだから」という理由だけで担当者を選んでしまうと、本人にも会社にも負担が大きくなってしまいます。

2-1. 通常業務との兼務では、どうしても後回しになりがち

「営業の合間にブログを書いてほしい」
「総務の仕事が落ち着いたら、ページの修正をしておいて」

このように「空いた時間でやってほしい」と頼んでいる場合、ホームページ運営はほぼ確実に後回しになっていきます。本業の仕事が忙しくなると、どうしても緊急度の高い業務が優先され、更新作業は「時間ができたら」「来月こそは」と先送りされてしまいます。

 その結果、以下のような状況になりがちです。

  • 気づけば半年〜1年近く更新が止まっている
  • 新サービスを始めたのに、ホームページには何も書かれていない
  • 人事異動や組織変更がサイトに反映されていない

 ホームページ運営は、記事作成、画像準備、アクセス確認、問い合わせ対応など、実際には手間がかかる仕事です。「ついでの業務」として扱うと、どうしても中途半端になってしまいます。

兼務とする場合には、「毎週○曜日の午前中はホームページ運営の時間」といった形で、カレンダー上にきちんと時間を確保し、その時間帯は電話や別業務を可能な限り外してあげるなど、会社としての配慮が不可欠です。

2-2. 「パソコンに詳しいから」という理由だけで任せるリスク

中小企業でよくあるのが、「若いしパソコンも触れるだろうから、明日からホームページ担当ね」といった任命のされ方です。一見合理的に見えますが、これも中小企業の ホームページ運営におけるよくある失敗事例の一つです。

 ホームページ運営に求められるのは、実はかなり幅広いスキルです。

  • 自社の商品・サービスの理解
  • お客様の悩みを文章に落とし込む力(ライティング)
  • 検索に見つけてもらうための工夫(SEOの基礎)
  • 必要に応じて、画像加工や簡単なHTML編集
  • アクセス解析ツールを見て、傾向をつかむ力

 「Excelが使える」「タイピングが早い」といったパソコンスキルだけでは、なかなか成果を出しづらいのが現実です。

本人の興味の有無や適性を考えずに任せてしまうと、「何から手をつければよいか分からない」「責任だけが重く感じる」といったストレスにつながり、最悪の場合、担当者が辞めてしまう原因にもなりかねません。

2-3. 重視すべきはITスキルより「自社理解」と「顧客視点」

では、どのような人がホームページ担当者に向いているのでしょうか。

 実務上、「高度なITスキル」よりも重要なことが3つあります。

  • 自社の事業内容や商品・サービスをよく理解していること
  • お客様と接した経験があり、どのような質問を受けるか体感していること
  • 文章が極端に苦手ではなく、相手に伝える意識があること


長年営業現場でお客様の声を聞いてきた社員や、商品開発に携わっている社員は、「お客様がどこで迷うのか」「何を不安に思うのか」を具体的に知っています。こうした人材が中心となって、文章自体は外部ライターと協力する、更新作業は制作会社にサポートしてもらう、といった分担も十分可能です。

ITに関する細かい操作方法は、必要に応じて徐々に覚えていけば問題ありません。まずは「自社のことを自分の言葉で説明できる人」「お客様の立場で物事を考えられる人」を中心に、運営体制を組むことをおすすめします。

失敗事例2:ホームページ運営業務の「属人化」と「トップダウン」の弊害

ホームページ運営は、どうしても人に依存しやすい業務です。その結果、特定の担当者だけが情報やノウハウを抱え込んでしまう「属人化」や、経営者の一言で方針が何度も変わってしまう「トップダウン過多」が起こりやすくなります。

これらは一見すると効率がよさそうに見えますが、中長期的には大きなリスクにつながります。

3-1. 担当者がいなくなった途端に止まる「属人化」は経営リスク

「ホームページのことは、すべて○○さんに任せている」

この状態は、一見スムーズに回っているように見えますが、実は危険なサインです。その担当者が急な病気や退職などで不在になったときに、次のような問題が一気に表面化します。

  • サーバーやドメインの契約情報がどこにあるか分からない
  • 管理画面のID・パスワードを知っている人が他にいない
  • 更新手順が分からず、軽微な修正すらできない
  • トラブル発生時に、どこへ連絡すればよいか分からない

最悪の場合、サーバーの契約更新ができずにホームページが表示されなくなる、という事態も何度か見てきました。

このような属人化は、ホームページ運営だけでなく、会社全体にとっての経営リスクにもなります。
担当者を任命すること自体は問題ありませんが、「重要な情報や手順は、必ず複数人で共有する」というルールづくりが欠かせません。

  • 経営者、もしくは管理職がログイン情報や契約情報を把握している
  • 担当者以外に、サブ担当者を1人は決めておく
  • 定期的に、運営状況の報告や引き継ぎ資料を確認する場を設ける

 最低限、これらの仕組みをつくることをおすすめします。

3-2. 社長の「ひと言」で方向が二転三転すると、現場は疲弊する

中小企業ならではの課題としてよく挙がるのが、「社長の思いつきや好みに引きずられやすい」という点です。

  • 「知り合いの会社のホームページがかっこよかったから、うちも同じようにしたい」
  • 「最近は動画が流行っているらしいから、ブログはやめて動画に切り替えよう」
  • 「今のトップページは気に入らないから、デザインを全部作り直そう」

もちろん、経営者が市場の変化に目を配り、新しい取り組みを検討すること自体は、とても大切です。
ただし、ホームページ運営、とくにSEO対策やコンテンツ発信は「積み上げ型」の施策であり、短期間で結果が出るものではありません。

方針が頻繁に変わると、以下のような弊害が出てきます。

  • コンテンツの方向性が定まらず、サイト全体の一貫性が失われる
  • 担当者が過去の取り組みを何度もやり直すことになり、疲弊する
  • 「結局この会社は何を強みにしているのか」がユーザーに伝わらなくなる

方針変更が必要な場合には、「なぜ変えるのか」「その結果、どんな成果を目指すのか」をデータや実例をもとに整理し、担当者とも話し合ったうえで決めることが大切です。
一度決めた施策については、最低でも半年〜1年は続けて様子を見るくらいの腰の据わった姿勢が、最終的には近道になります。

3-3. マニュアル化とチーム体制で「仕組み」による運営へ

属人化やトップダウンの弊害を減らすためには、「人に依存しない仕組み」を意識して整えていくことが重要です。
その第一歩として、ホームページ運営に関する「簡単なマニュアル(手順書)」を用意しておきましょう。

 例えば、次のような項目をまとめておくと安心です。

  • サーバー・ドメインの契約情報、管理画面URL、ログインID・パスワードの保管場所
  • 記事作成のルール(文字数の目安、使用する画像サイズ、掲載してはいけない表現など)
  • 更新作業の手順(CMSの操作方法、公開前のチェック項目)
  • トラブル時の連絡先(制作会社、サーバー会社、社内窓口)
  • お問い合わせがあった際の社内での対応フロー

 こうした内容が文書として残っていれば、担当者が急に不在になった場合でも、他の社員がある程度対応できますし、新任者への引き継ぎもスムーズになります。

 さらに理想を言えば、1人に任せきりにするのではなく、少人数でもよいのでチームとして運営するのが望ましい姿です。

  • 記事案を考える人
  • 文章を整える人
  • 最終チェックや公開作業を行う人

といった形で、「人」ではなく「仕組み」で回る体制を整えることが、ホームページ運営を長く続けるコツと言えます。

失敗事例3:「安さ重視」と「コンプラ不足」の落とし穴

中小企業にとって、コスト管理は非常に重要なテーマです。ただし、ホームページ運営に関して「初期費用の安さだけ」を重視すると、後々大きなトラブルにつながることがあります。

また、インターネット上で情報を発信する以上、著作権や下請法、情報セキュリティなどの「コンプライアンス(法令順守・ルールを守る姿勢)」を軽く見てしまうと、会社の信用を失うリスクもあります。

4-1. 「知らなかった」では済まされない著作権と下請法の注意点

インターネット上には、写真やイラスト、文章など、多くのコンテンツが自由に閲覧できます。しかし、「見られる」ことと「自由に使ってよい」ことは別であり、基本的には著作権が存在します。

  • Googleの画像検索で見つけた写真を、そのまま自社サイトに掲載する
  • 他社サイトの文章を参考にしすぎて、ほとんど同じ構成・表現になってしまう

 こうした行為は、意図せずとも著作権侵害に当たる可能性があります。現在は、画像の不正利用を検知するサービスや、権利者の代理として対応する専門家も増えており、ある日突然、使用料や損害賠償を請求されるケースも報告されています。
著作権については以下の記事で詳細を解説しています。

また、外部のライターやデザイナー、制作会社にホームページ関連の仕事を依頼する場合、発注側・受注側それぞれの規模や取引額によっては、「下請代金支払遅延等防止法(いわゆる下請法)」の対象になることもあります。

  • 口頭だけで発注し、納品後も書面を渡していない
  • 一方的に支払期日を延ばす、または支払いを遅らせる
  • 当初の契約範囲を超える修正を、追加費用なしで繰り返し要求する

 といった行為は、下請法上の問題となる可能性があります。中小企業であっても、発注側として守るべきルールがあることを押さえておくことが大切です。

下請法は2026年1月1日に取適法に変更されます。詳細は以下の記事をご覧ください。

4-2. 「詳しい知り合いに安く頼んだ」ことで起こるトラブル

「制作会社に頼むほどではないから、詳しい知り合いに安く作ってもらった」

このようなケースもよく聞かれます。もちろん、信頼できる相手とのお付き合いがうまく機能している例もありますが、トラブル事例も少なくありません。

よくあるのが、以下のようなパターンです。

  • 本業が忙しくなり、更新や修正を頼んでもなかなか対応してもらえない
  • 個人間の口約束だけで進めた結果、「どこまでが料金に含まれているのか」があいまい
  • 関係性が悪化してしまい、サイトの修正や移管の協力が得られない


また、知り合いだからこそ、正式な契約書を交わさずに進めてしまうことも多く、「サーバーやドメインの名義がどうなっているか」「データのバックアップがどこにあるのか」が不明なまま時間が経ってしまうことがあります。

ホームページは一度公開して終わりではなく、数年単位で育てていくものです。その意味では、「作るときに誰に頼むか」だけでなく、「数年後も継続して付き合っていけそうか」「何かあったときにきちんと相談できる相手か」という観点も重要になります。

4-3. 信頼を守るための最低限のコンプライアンスとセキュリティ

ホームページには、お客様だけでなく、取引先や金融機関、求職者などさまざまな方が訪れます。そこで目にする情報は、そのまま御社に対する印象につながります。

  • 誤字脱字が多く、情報が古いままになっている
  • お問い合わせフォームが暗号化されておらず、アドレスバーに「保護されていません」と表示される
  • 個人情報の取り扱いについて何も記載がない

 こうした状態は、「細かなところに気を配れていない会社なのではないか」「情報管理に不安がある」と受け取られても仕方がありません。

  • SSL化(アドレスがhttpsで始まる状態)を行う
  • 不要なプラグインや古いシステムを放置しない
  • 管理画面のパスワードを共有しない・定期的に見直す

 特に、お問い合わせフォームや会員ページがあるサイトでは、このような基本的なセキュリティ対策が欠かせません。「中小企業だから狙われない」ということは決してなく、自動的に攻撃対象を探すプログラムによって、規模に関係なく被害が出ているのが実情です。

法令やルールについてすべてを完璧に押さえる必要はありませんが、「どのあたりに注意が必要なのか」「分からないときに相談できる相手は誰か」を把握しておくだけでも、リスクを大きく減らすことができます。

見出し5:失敗しないために!中小企業が今すぐできる運営改善策

ここまで、いくつかの失敗パターンを見てきました。「ホームページ運営は難しそうだ」と感じられたかもしれませんが、裏を返せば、ポイントを押さえて一歩ずつ改善していけば、必ず状況は良い方向に変わります。

最後に、中小企業のホームページ運営で「今できること」「これから意識したいこと」を3つの視点から整理します。

5-1. 社内リソースが足りないなら、「外部の力」を上手に取り入れる

専任担当者を置くのが難しい場合や、兼務での運営に限界を感じている場合は、無理に社内だけで抱え込まず、外部の専門家を上手に活用することも選択肢のひとつです。

  • 記事のテーマ出しや原稿のたたき台は社内で作成し、SEO(検索で見つけてもらうための工夫)を意識したリライトや入稿作業は外部ライター・制作会社に依頼する
  • セキュリティ対策やシステムのアップデート、デザイン崩れの修正などは、月額の保守サービスとして制作会社に任せる
  • 社内でできること・外部に頼むことを明確に切り分け、担当範囲をはっきりさせておく

外部への支出は「コスト」と捉えがちですが、担当者の時間や労力を生み出すための「投資」と考えることもできます。本業に集中するために、どこまで自社で行い、どこからを専門家に任せるか、一度棚卸ししてみるのもおすすめです。

5-2. 経営者と担当者が「同じゴール」を共有する

ホームページ運営がうまくいっている会社ほど、経営者と担当者の目線が揃っています。

  • 経営者:売上や採用など、会社として達成したいこと
  • 担当者:日々の更新業務を通じて、現場からできること

この2つがかみ合っていると、運営の方向性がぶれにくくなります。

  • 月に一度など、定期的にホームページの状況を共有する場をつくる
  • アクセス数や問い合わせ数などの数字を一緒に見ながら、「何がうまくいっているか」「どこに課題があるか」を話し合う
  • 小さな改善でも成果が出たときには、担当者をきちんと評価する

 このようなコミュニケーションが効果的です。

 「ホームページは担当者の仕事」と完全に任せきりにするのではなく、「会社全体として取り組むプロジェクト」と位置づけ、経営者自身も一定の関心を持ち続けることで、運営の質は大きく変わってきます。

5-3. 適切な準備と継続的な投資で、「集客できるホームページ」へ育てる

最後に、改善に向けたチェックポイントを整理します。いずれも特別なことではありませんが、実際には「分かっていても徹底できていない」項目ばかりです。

まずは、次のような点から見直してみてください。

  • ホームページの目的と優先順位(お問い合わせ・採用・資料請求など)は、社内で共有できているか
  • 担当者に、運営に充てられる時間と権限はきちんと与えられているか
  • 社内で対応する部分と、外部に委託する部分は整理されているか
  • 著作権・下請法・セキュリティなど、最低限のコンプライアンスに配慮できているか

 これらを一つずつ整えていくだけでも、ホームページ運営は着実に安定していきます。多くの中小企業では、このあたりの「基本的な土台」が整っていないために、せっかくの取り組みが十分に生かされていません。裏を返せば、ここを丁寧に固めるだけで、競合他社に大きな差をつけることも十分可能です。

中小企業におけるホームページ運営のよくある失敗事例を知ることは、「転ばぬ先の杖」を手に入れることでもあります。この記事が、自社のホームページ運営を見直すきっかけになれば幸いです。

貴社のホームページが、将来にわたって信頼と成果を生み出す心強い存在になることを、心より応援しております。