ロングテールキーワード使ったSEO対策
最近のSEO対策では、Googleの方針に沿ったユーザーファーストの施策が主流となっています。いわゆるホワイトハットSEOというものです。またロングテールキーワードを使ってユーザーの検索意図に寄り添ったコンテンツ作成も多く行われています。今回はロングテールキーワードを使ったSEO対策についてご紹介します。
目次
SEO対策の基本
SEO対策とは、検索エンジンで上位表示を目指すために何かしらの対策を行うことです。上位表示のために考えられる方法はいくつもありますが、基本を押さえていないと、検索順位が思うように上がらなかったり、ペナルティとなる場合もあります。
検索エンジンの仕組み
SEO対策を踏まえたホームページ制作については、こちらのコラムでご説明しました。このコラムの中でSEOの仕組みについてご紹介していますが、検索エンジンの仕組みを考える上で欠かせないのは、Googleの考え方を知ることです。Googleの考え方は「Googleが掲げる10の事実」を読むと、よくわかります。
ここに書いているのは、常にGoogleがユーザーファーストであることです。ユーザーがどのようなことが知りたいのか、ということに対して解決出来るホームページが上位表示されるということです。つまり検索の際キーワードを入れたユーザーの検索意図がしっかり反映されたホームページを用意する必要があります。
また現在は大量の被リンクを貼ったり、コピーコンテンツで量産されたページを追加しても上位に表示されることは難しい時代になっています。
検索キーワードについて
SEO対策で重要となってくるのが「検索キーワード」です。検索キーワードとは、ユーザーがYahoo!やGoogleで検索窓に入れるキーワードのことを指しています。
検索キーワードには、検索ボリュームや検索ニーズがあり、よく調査してユーザーのニーズがあるキーワードに対してSEO対策することをおすすめします。ここでは検索結果から読み取れるユーザーの検索意図について確認できる方法を4つご紹介します。
Googleサジェスト
Googleの検索窓で、自動的に検索候補として出てくるキーワードとなります。
例えば「天気」と検索すると、「天気 〇〇」といった天気+地域名や、「天気予報」などのキーワード候補が自動的に出てきます。よく検索されているキーワードが候補として出てくるため参考にすることが出来ます。
関連キーワード
キーワードを検索して出てくる検索結果の最下部には、「他のキーワード」として関連するキーワードの候補がいくつか表示されています。
例えば「賃貸情報 〇〇区」と検索すると関連情報として「ファミリー向け」や「一軒家」「ペット可」などと関連しているキーワードが表示されるので、こちらもGoogleサジェストと同じく参考にすることができます。
検索結果を確認
Googleは、ユーザーの検索意図に合う検索結果を表示しているので、検索結果を確認することで、どのようなホームページが上位に表示されているのかを知ることができます。
キーワードリサーチツールを利用する
Googleの検索結果以外からも、ユーザーの検索意図を知ることができます。キーワードリサーチツールを使うと、競合性や検索順位、検索数など様々な値を知ることができます。
SEO対策を実施する際には、上記のような様々な方法で現状把握をしてから対策を決定します。
ロングテールキーワードとは
検索キーワードを調べる中では競合性についても知ることができます。競合がたくさんいる中で検索順位を上げることは簡単ではありません。また月額数万円からときには数十万円も使って検索順位を上げたとしても、そこから見込みのあるお問い合わせが来る保証もあるわけではなく、競合性の高いキーワードで上位表示を目指すことは、とてもリスクが高いといえます。
そこで現在ロングテールキーワードを使って、SEO対策を行うことが増えています。ロングテールキーワードとは、複数のキーワード(3~4単語)を掛け合わせたキーワードで、月間検索ボリュームは約1000回未満(目安です)、また検索ニーズが見込めるキーワードのことを指しています。
ロングテールキーワードのSEO対策
ロングテールキーワードを使ったSEO対策は、今までのSEO対策とどういった違いがあるのでしょうか。
ロングテールキーワードのメリット・デメリット
ロングテールキーワードを使ってSEO対策することには、メリットもありますがデメリットも存在します。まずはメリットからみていきます。
コンバージョン率が高い
ロングテールキーワードは、ビッグキーワードと比較するとコンバージョン率が高いと言われています。その理由は、ロングテールキーワードは検索ニーズが明確であるからです。
例えば、「通販 女性 トップス 仕事用」といったキーワードを参考にすると、このキーワードを見るだけで、どのような服を探しているのがある程度検討がつきます。「通販 服」といったビッグキーワードでは、詳しいユーザーのニーズは分かりません。
このように、ロングテールキーワードはニーズが顕在化されていることが特徴で、コンバージョンにつながる確率も高いのです。
上位表示されやすい
競合が多いキーワードであれば上位表示するためには、費用も時間も必要となります。しかし競合性が低いロングテールキーワードであれば、対策しやすく上位表示しやすくなります。
また一度上位表示されれば、その後競合性が一気に上がるなどの変動が無い限り順位を継続することができます。
ではデメリットについてもみていきます。
中長期的な計画が必要
ロングテールキーワードで上位表示し、コンバージョンにつなげるには、1年くらいかかります。すぐに結果を求めている際には、ロングテールキーワードを使ったSEO対策よりは、リスティング広告などが向いているともいえます。
逆にいうと、コツコツとコンテンツを作成し、上位表示されるページが増えると、それに伴って様々なページから流入が増え、ホームページとしても成長が見込めます。
コンテンツの品質維持
ロングテールキーワードを使ったコンテンツを計画的に作成することができれば、嬉しいことにコンテンツは増え続けます。最初はキーワードを上手く使ったコンテンツが作成できますが、長期化するとキーワードは違うけれど、中身は同じコンテンツということも想定できます。そういった場合はコピーコンテンツとならないよう、事前に内容やキーワードをチェックする必要があります。
それぞれのページで品質に差がないよう、計画的に作成、また効果検証も必要です。
キーワードの選定方法
具体的にロングテールキーワードを使ったSEO対策をスタートするためには、テーマやキーワードを決める必要があります。
テーマについては、自社の商品やサービスを元に自動的に決まることが多いですが、キーワードについては、見込みユーザーのニーズを考えて、どういった検索ワードであればお問い合わせにつながるのか、また商品やサービスに魅力を感じてもらえるのかを考える必要があります。
そのキーワードを決める際に、検索ボリュームを調査する必要があるので、先ほど紹介したGoogleサジェストや関連キーワードを使って、調査します。
また同時に、過去にお問い合わせにつながったユーザーを分析し、どういったコンテンツがお問い合わせにつながりやすいのかや、よく閲覧されているページなどからのニーズを把握することができます。
業種別でみるロングテールキーワードの参考
ロングテールキーワードを使ってコンテンツを作成する際に参考になる、業種別のテーマやキーワードの参考についてご説明します。
介護業界
介護施設や老人ホームなどの施設を検索エンジンで探す場合には、まずは「老人ホーム+地域名」で検索し、入居する方の近所や希望する場所にどのような施設があるのか探します。検索すると、ポータルサイトを始めとして様々な施設を知ることができます。
また地域名の他には、特徴や提供するサービスで検索する方法もあります。
特徴とは例えば、24時間看護師が常駐、施設料金、交通アクセスの良さ、受け入れ可能な医療体制など、施設がユーザーに選ばれる理由です。
介護業界でロングテールキーワードを使ってSEO対策する場合は、「介護施設の種類+地域+特徴」といった検索キーワードでコンテンツを用意することで、ユーザーのニーズに応えることができます。
士業
弁護士、行政書士、公認会計士など、士業の方に参考となるロングテールキーワードはたくさんあります。
例えば弁護士の方であれば、どういった理由で弁護士を探しているのか、といった検索ニーズを考えて、キーワード選定します。ただ単に「弁護士+地域名」で検索上位を狙っても、上位表示するには競合が多かったり、お金をかけても上位表示できない可能性もあります。
弁護士の方は、例えば交通事故を専門としているならば「弁護士 交通事故」というビッグキーワードから派生して、費用・相談・慰謝料・示談・・・などの様々なキーワードでコンテンツを作成することができます。
製造業
製造業はその会社独自の技術や製品があり、もともとがニッチな製品等であればキーワード自体に競合が少なく、上位表示しやすいかもしれません。しかしそのキーワード自体が認知されていなければ、分かりやすいキーワードを使ってSEO対策をする方法に切り替える必要があります。
また競合の多いキーワードの場合にも、ロングテールキーワードによるSEO対策に切り替えることで、見込みユーザーからのコンバージョンにつながる可能性があります。
修理やメンテナンス方法、メーカー、機種、材料、価格など様々なキーワードを組み合わせて、コンテンツ制作できます。
不動産業界
賃貸や売買、またマンションや一戸建てなどの建物と地域名を組み合わせたキーワード(例えば「賃貸 マンション 大阪」)で検索すると、不動産のポータルサイトが上位表示されており、なかなか自社のホームページにアクセスを集めることは難しくなっています。
「賃貸マンション+地域名」といったキーワードに、ペット可、2LDK、駅近などのユーザーの要望が加わると、ユーザーがどのような部屋に住みたいかのニーズがより明確となり、コンバージョンに近いと考えられます。
クリニックや歯科医院
病院やクリニック、歯科医院をすぐに探したいときには、診療科目と地域名を掛け合わせて検索し、行ける病院を探します。しかしどの病院に行けばいいのか分からなかったり、そもそもすぐに病院に行くべきか迷っている場合には、ユーザーは様々なホームページを比較しながらどうするべきか検討しています。
ロングテールキーワードを使ったSEO対策は、そういった痛みや症状などユーザーの悩みに寄り添った検索キーワードに対して、解説しているコンテンツを作ります。
病院やクリニックのコンテンツ作成に関しては、Googleの検索品質評価ガイドラインを活用すると、ユーザーに寄り添ったロングテールキーワードでのSEO対策が可能となります。
まとめ
ロングテールキーワードを使ったSEO対策は、Googleが示すユーザーファーストの方針に沿った方法です。
その検索キーワードを選定するには、Googleサジェストなど様々なツールを使って候補となるキーワードの競合、関連キーワードなど現状を調査します。
またロングテールキーワードのメリットは、コンバージョン率が高く、上位表示しやすいことです。ロングテールキーワードは、3~4のキーワードを組み合わせた複合語のため、検索ボリュームは少ないですが、検索ユーザーのニーズが明確です。そのため、検索ニーズに応えるコンテンツを用意できれば、コンバージョンにつながる可能性が高いのです。また、検索ボリュームが少ないため競合が少なく、上位表示しやすい傾向にあります。
逆にデメリットとなるのが、結果が出るには時間がかかることです。検索ボリュームが多いわけではないため、コンテンツを作成してすぐにアクセスが集められたり、コンバージョンにつながることは難しいです。コツコツと時間をかけてじっくりとコンテンツを作成しましょう。
各業界別でみると、当然ながら検索キーワードには違いがあります。どういったテーマなら見込みユーザーを獲得でき、コンバージョンにつなげることができるか、中長期的な計画を立ててコンテンツを作成してください。