ホームページの特定商取引法に基づく表記とは?必須項目と書き方を解説【2026年最新版】
ホームページで商品やサービスを販売する場合、「特定商取引法」への対応は避けて通れません。
一方で、「自社ホームページにも本当に必要なのか」「どこまで書けば問題ないのか」と判断に迷うケースも多く見られます。
特定商取引法に基づく表記は、単なる法律対応ではありません。ユーザーが安心して申し込みや購入を行うための、重要な「判断材料」です。
本記事では、ホームページ運営者が必ず押さえておくべき基本と、実務ですぐに使えるポイントを中心に整理して解説します。
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目次
1. そもそも「特定商取引法」とは?ホームページ運営者が知るべき基本
特定商取引法は、事業者と消費者の間で起こりやすいトラブルを防ぐために定められた法律です。
訪問販売や電話勧誘販売だけでなく、インターネットを通じた取引も対象に含まれます。
対面販売とは異なり、ネット取引では消費者が事業者の顔や店舗の実態を直接確認できません。
そのため、「誰が運営しているのか」「どのような条件で取引が行われるのか」を事前にハッキリと明示することが法律で義務付けられています。
1-1. 特定商取引法の目的と「通信販売」における重要性
ホームページやメールを通じて注文を受ける販売方法は、法律上「通信販売」に該当します。
通信販売は便利な反面、商品内容や事業者情報が分かりにくいことから、「届いた商品がイメージと違う」「連絡が取れない」といったトラブルが起きやすい取引形態でもあります。
そのため特定商取引法では、広告表示や契約条件について厳格なルールを設けています。
ホームページは、24時間365日オープンしている「無人の店舗」のようなものです。
ここで取引条件や責任の所在を明確にすることは、事業を継続し、お客様を守るための大前提と言えます。
1-2. なぜホームページに「特定商取引法に基づく表記」が必要なのか
表記が必要な理由は2つあります。一つは法律上の義務だからですが、もう一つはビジネス上の理由、すなわち「信頼の獲得」です。
事業者名や住所、電話番号が明記されていれば、消費者は「責任の所在がはっきりしている」と感じ、安心して購入ボタンを押すことができます。
反対に、この表記が見当たらない場合、ユーザーは購入直前で「怪しいホームページかもしれない」と不安を感じ、離脱してしまう原因になります。
つまりこの表記は、ホームページの信頼性を補強し、結果的にコンバージョン(購入・申込)を後押しする役割を担っているのです。
1-3. 表記がない場合のリスクと消費者に与える印象
特定商取引法に基づく表記がない、または内容が不十分な場合、行政指導や業務停止命令などの行政処分の対象となる可能性があります。
しかし、それ以上に怖いのが「消費者からの信頼喪失」です。
近年はリテラシーの高いユーザーが増えており、購入前に「特商法表記」の有無をチェックする人も少なくありません。ここに不備があるだけで「詐欺サイトではないか」と警戒されてしまうケースもあります。
法令対応としてだけでなく、ホームページ全体のブランドを守るためにも、正確な表記は欠かせません。
2. 特定商取引法の表記が必要なサイトとは?ECサイト以外も対象になるケース
「ネットショップを運営していないから関係ない」「形のないサービス業だから不要」と考えていませんか?
実は、取引の形によっては、一般的なECサイト以外でも特定商取引法の対象となるケースが多々あります。
判断の基準は、「ホームページやメールを通じて、金銭を伴う注文や契約の意思表示を受け付けているかどうか」です。
2-1. ネットショップ(物品販売)は必須。ではサービス業は?
物品を販売するネットショップが対象になるのは当然ですが、形のないサービスであっても、ネット上で申し込みや契約が完結する場合は対象になります。
例えば、次のようなケースでは通信販売に該当する可能性が高いです。
- 来店予約時に、エステや整体のコース料金を事前決済する場合
- セミナーや講演会の参加費をウェブ上で受け付けている場合
- コンサルティングや家事代行をフォーム送信のみで申し込み完了とする場合
一方で、「ホームページは内容紹介のみで、契約や支払いは電話や来店時に行う」といった形であれば、特商法表記が必須とならないケースもあります。
ただし、予約時点でキャンセル料が発生するなど、実質的に契約が成立していると判断される場合は表記が必要です。トラブル防止の観点から、迷ったら表記を用意しておく方が安全です。
2-2. 有料メルマガやデジタルコンテンツ販売における扱い
電子書籍、動画教材、有料メルマガ、オンラインサロンなどの「デジタルコンテンツ」も、通信販売として特定商取引法の対象になります。
デジタルコンテンツの場合、特に以下の点に注意が必要です。
| 項目 | 記載のポイント・注意点 |
| 利用開始時期 | 決済完了後すぐに利用できるのか、登録手続きが必要なのかなど、具体的なタイミングを記載します。 |
| 動作環境 | サービスを利用するために必要なPCスペックやアプリ環境を明示します。 |
| 返品特約 | デジタルデータは性質上「返品(返却)」ができません。 「返品不可」である旨を明確に示しておかないと、トラブル時に返金を求められるリスクが高まります。 |
2-3. 例外的に表記を省略できるケースとその条件
特定商取引法では、一定の条件を満たす場合に限り、住所や電話番号の記載を省略できる例外規定(広告表示事項の省略)があります。
省略が認められるのは、「消費者から請求があった場合、遅滞なく(速やかに)情報を開示できる体制が整っていること」が前提です。
その場合でも、ページ内に「請求があれば遅滞なく開示する」旨の記載は必須となります。
個人事業主やフリーランスの方が自宅住所を公開したくない場合に利用される制度ですが、独自ドメインで運営する自社ホームページでは、信頼性の面から省略せずに記載することをおすすめします。
初めて訪れるユーザーにとって、連絡先が隠されていることは大きな不安要素です。法的に可能かどうかだけでなく、「お客様からどう見られるか」も踏まえて判断しましょう。
3. 【チェックリスト】特定商取引法に基づく表記に記載すべき具体的な内容
特定商取引法に基づく表記は、「項目が埋まっていれば合格」というものではありません。
実際のトラブル時に自社を守れるか、消費者が読んで理解できるかという視点が重要です。特に確認漏れが起きやすいポイントを整理しました。
3-1. 販売価格・送料・代金の支払い時期と方法
お金に関する情報は、消費者が最もシビアに確認する部分です。少しでも曖昧な表現があると、クレームの火種になります。
| 販売価格 | 必ず「税込価格(総額表示)」で記載します。 商品数が多い場合は「各商品ページをご参照ください」等の誘導でも構いません。 |
| 商品代金以外の 必要料金 | 送料、振込手数料、代引手数料、ラッピング代など、発生する可能性がある費用はすべて明示します。 「書いていない費用」を後から請求することはできません。 |
| 支払い時期と方法 | クレジットカード(即時)、銀行振込(前払い)、後払いなど、決済方法ごとに「いつ支払うのか」を具体的に記載し、認識違いを防ぎましょう。 |
3-2. 事業者の氏名(名称)、住所、電話番号の開示ルール
この項目は、「誰が責任を持って運営しているのか」を示す身分証明書です。
| 氏名(名称) | 法人は「登記上の商号」、個人事業主は「戸籍上の氏名」を記載します。 屋号や店名だけでは不十分です。「運営統括責任者」の氏名も併記するのが一般的です。 |
| 住所 | 番地や建物名、部屋番号まで省略せずに記載します。 法人の登記住所と実際の拠点が異なる場合は、実際に返品対応や連絡が行える「業務拠点」を記載する方が実務的かつ親切です。 |
| 電話番号 | 確実に連絡が取れる番号を記載します。 IP電話や携帯電話でも法的には問題ありませんが、受付時間を併記しておくと、営業時間外のトラブルを防ぎやすくなります。 |
3-3. 返品・交換・キャンセルに関する特約(返品特約)の重要性
意外と知られていませんが、通信販売には「クーリング・オフ制度」が適用されません。
そのため、返品や交換のルール(返品特約)は、事業者が独自に定めて表示する必要があります。
もし返品特約を記載していない場合、法律の原則通り「商品到着後8日以内であれば、送料消費者負担で返品可能」というルールが適用されてしまいます。
これは事業者にとって大きなリスクとなります。以下の点を必ず明記しましょう。
- お客様都合による返品を受け付けるかどうか
- 返品可能な条件(「未開封に限る」「到着後7日以内」など)
- 返品時の送料負担(「お客様負担」か「当社負担」か)
特にオーダーメイド品や食品など、再販が難しい商品を扱う場合は、「返品不可」である旨を大きく分かりやすく記載することが欠かせません。
4. 【2026年版】知っておきたい特定商取引法の最新事例と法改正のポイント
特定商取引法は、社会状況や消費者トラブルの傾向に応じてたびたび見直しが行われています。
「数年前に作ったまま放置している」というホームページは、知らないうちにルール違反になっているかもしれません。特に近年の重要なポイントを整理します。
4-1. 定期購入(サブスクリプション)における最終確認画面の規制強化
健康食品や化粧品などの「定期購入(サブスクリプション)」に関するトラブル急増を受け、2022年に規制が大幅に強化されました。
現在は、注文の最終確認画面において、契約内容を消費者が一目で認識できる表示が義務付けられています。
- 定期購入であることの明示
- 支払総額(契約期間中の総額目安)
- 各回の請求金額と時期
- 解約条件と解約方法
これらを小さな文字で書いたり、分かりにくいリンク先に隠したりする手法は、現在では明確な違法行為となります。
定期購入機能のあるカートシステムを利用している場合も、システム任せにせず、実際の画面で正しく表示されているか必ず確認してください。
4-2. 詐欺的なホームページと誤解されないための注意点
正しく運営しているホームページであっても、表記の仕方一つで「怪しい」と思われてしまうことがあります。
特に近年は、実在する会社情報をコピーした「なりすましサイト」が増加しており、ユーザーの警戒心は高まっています。
| 画像化された文字 | 住所や電話番号を画像データで貼り付けていると、「検索逃れ(悪評を検索させない工作)」をする詐欺サイトの手口と疑われることがあります。 |
| 不正確な住所 | 住所をマップで検索した際に、更地や全く関係のない民家が表示されると信頼を損ないます。 |
| フリーメールのみ | 連絡先がGmail等のフリーメールのみで、電話番号がない場合も警戒されがちです。 |
正しい情報を、正しい形式(テキスト)で、隠さずに堂々と掲載することが、疑念を払拭する最良の方法です。
4-3. 違反した場合の行政処分や罰則について
違反した場合、消費者庁や都道府県から行政指導や「業務停止命令」を受ける可能性があります。
業務停止命令が出されると、一定期間販売ができなくなるだけでなく、社名と違反事実が公表されます。一度公表された情報はネット上に長く残り、企業ブランドに致命的なダメージを与えます。
さらに悪質なケースでは、個人への懲役刑や、法人への高額な罰金刑も規定されています。
「知らなかった」では済まされないリスクがあることを理解し、定期的に表記内容を見直す運用が必要です。
5. すぐに使える特定商取引法に基づく表記のフォーマットと設置場所
ここまで解説した内容を踏まえれば、特定商取引法に基づく表記は、ゼロから悩まずとも一定の型に沿って整備できます。
重要なのは、自社のサービス内容に合わせて項目を調整し、実態と食い違いがない状態にすることです。
5-1. 【コピペOK】汎用的な特定商取引法に基づく表記テンプレート
以下は、一般的な通信販売に対応した基本フォーマットです。
特に「返品・交換」に関する項目は、自社の商品やサービスの性質に応じて慎重に書き換えてください。
特定商取引法に基づく表記
| 販売業者 | 株式会社○○ |
| 運営統括責任者 | 山田 太郎 |
| 郵便番号 | 〒000-0000 |
| 住所 | 大阪府大阪市〇〇区〇〇 1-2-3 △△ビル 4F ※ビル名・部屋番号まで正確に記載 |
| 電話番号 | 06-0000-0000 (受付時間:平日10:00~18:00) |
| メールアドレス | info@example.com |
| 販売価格 | 各商品ページに記載(税込価格) |
| 商品代金以外の 必要料金 | 【送料】全国一律800円 【代金引換手数料】330円 【銀行振込手数料】お客様負担 |
| お支払い方法 | クレジットカード、銀行振込、代金引換 |
| お支払い時期 | 【クレジットカード】各カード会社の引き落とし日 【銀行振込】ご注文後7日以内 |
| 商品の引き渡し時期 | ご注文確認後(または入金確認後)、3営業日以内に発送 |
| 返品・交換について | 【お客様都合の場合】 未開封に限り、商品到着後7日以内であれば返品可能です。 その際の送料はお客様負担となります。 【不良品の場合】 送料弊社負担にて良品と交換いたします。 |
形式自体はシンプルですが、記載されている送料や手数料、発送日が現在の運用と合っているか、必ず確認してから公開してください。
5-2. ホームページ内の設置場所
ユーザーが情報を探そうとしたとき、迷わずたどり着ける場所に設置するのが鉄則です。
最も推奨されるのは、「全ページのフッター(最下部)」へのリンク設置です。
あわせて、商品購入の手続き画面や確認画面からも、別タブで確認できるようにしておくと親切です。
リンク名は「特定商取引法に基づく表記」とするのが最も確実ですが、スペースの都合上「特定商取引法」や「法規に基づく表示」とする場合もあります。どのような表現であれ、ユーザーに意味が伝わることが重要です。
5-3. 情報更新を前提とした運用の重要性
特定商取引法に基づく表記は、一度作成して終わりではありません。
会社情報や取引条件が変われば、それに合わせて内容を即座に更新する必要があります。
更新のタイミング
- 事務所を移転した
- 送料を値上げした
- 新しい決済方法を導入した
- 運営担当者が変わった
これらはすべて修正が必要なタイミングです。更新漏れがあると、実際の取引内容との食い違いが生じ、トラブルの原因になります。
ホームページの更新マニュアルに「特商法ページの確認」を含め、定期的に見直す習慣をつけましょう。
特定商取引法に基づく表記のまとめ
特定商取引法に基づく表記は、法律を守るためだけの義務的なページではありません。
「誰が」「どのような条件で」取引を行っているのかを明確にすることで、消費者の不安を取り除き、「このお店なら安心だ」と選んでもらうための重要なコンテンツです。
必要な情報を正確に、分かりやすく記載しておくことで、無用なトラブルを未然に防ぎ、結果として事業運営を安定させることにつながります。
ぜひこの機会に、自社ホームページの表記内容が現状に合っているか、見直してみてください。
次のアクションとして
「自社ホームページの特定商取引法表記が適切か、判断に迷う」
「法的な記載だけでなく、ユーザーに信頼されるホームページ構成にしたい」
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