AIで生成した物に著作権は?ホームページで重要な著作権・肖像権
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目次
インターネットが社会のインフラとなった現代、私たちは日々当たり前のように「画像」や「文章」を目にしたり、シェアしたりしています。
しかし、その手軽さの裏で、誰かが書いた文章をコピーしてそのまま掲載したり、ネットで見つけた写真を無断でホームページで使ってはいませんか?
実はその行為、意図せずとも「著作権」や「肖像権」の侵害になっているかもしれません。さらに近年ではAI技術の進化により、誰でも簡単に高品質なコンテンツを生成できるようになりました。では、AIが生成したものの著作権は一体誰にあるのでしょうか?
後々大きなトラブルに発展しないように、著作権や肖像権の基本と、現代ならではの注意点を改めて理解しておきましょう。
※本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、法的な助言を構成するものではありません。個別の事案については、必ず弁護士等の専門家にご相談ください。
ホームページにおける著作権の基本

著作権とは
著作権とは、文章や音楽、絵画、写真、映画、そしてWebサイトの根幹をなすソフトウェア(プログラム)など、誰かが創作した「著作物」に対して、その著作者が持っている権利のことです。
基本的には、誰かがクリエイティブな意思を持って作り出したもの全てに、この権利が発生すると考えて間違いありません。
著作権は特別な契約を交わさない限り、原則として創作した本人がその権利を有します。
また、この権利は著作者が亡くなってから70年が経過するまで保護されるという、非常に息の長い権利でもあります。
もし著作権を侵害した場合、著作権を持っている方や会社から損害賠償請求を受ける可能性があります。
場合によっては、著作権法違反で刑事罰の対象となる可能性もあり、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金、またはその両方が科せられることもあります。
著作権には大きく分けて、著作物を財産として利用するための「財産権」と、著作者の創作意欲やこだわりを保護するための「著作者人格権」の2つがあります。
前者はビジネスとして他人に譲渡したり相続させたりすることが可能ですが、後者の「著作者人格権」は、著作者本人から切り離すことができない、非常に特殊な権利なのです。
著作者人格権とは
著作者人格権とは、著作者自身のプライドや想いを守るための権利です。
著作権(財産権)が「作品」ごとに発生するのに対し、この権利は「作った本人」に深く結びついています。
著作者人格権には大きく3つの権利が含まれています。
- 公表権: 未公開の作品をいつ、どのような形で世に出すかを決める権利
- 氏名表示権: 作品に自分の名前を載せるか、どのような名前で載せるかを指定する権利
- 同一性保持権: 許可なく内容を書き換えられたり、勝手に加工されたりすることを禁止できる権利
これらの権利は、著作権(財産権)を買い取ったとしても、著作者本人から奪うことはできない権利です。
どれほど対価を支払っても、「その作品を作ったのが誰か」という事実や、作者のこだわりまでは変えることができないためです。
ホームページ制作の現場では「著作者人格権を行使しない」という特約(不行使特約)を結ぶことが一般的ですが、これがあれば何をしても良いわけではありません。
著作者の名誉を害するような不適切な改変を行った場合、この特約が無効になる可能性もあります。
権利の有効期限とその後について
著作権は原則として著作者の死後70年を経過すると消滅し、その作品は「パブリックドメイン(公有)」となります。
そうなれば誰でも自由に利用できるようになりますが、注意が必要なのは著作者人格権との関係です。
著作者人格権そのものは著作者の死と同時に消滅しますが、著作権法第60条では
「著作者が存命であれば人格権侵害になるような行為をしてはならない」と定められています。
つまり、著作者の死後であっても、その思想を意図的に歪めるような改変や不適切な利用をすれば、遺族から訴えられる可能性があるのです。
たとえ死後70年以上経っていたとしても、指定された遺族(配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹)が一人でも存命であれば、訴える権利は残ります。
これは「不行使特約」を結んでいたとしても同様であり、著作者が亡くなったからといって、好き勝手に扱って良いわけではないのです。
著作権の対象となるもの
著作権が守る対象は非常に幅広く、ホームページを構成するほぼ全てのパーツが含まれます。
具体的には、以下のようなものが著作権の対象となります。
- テキスト:記事やブログの内容、キャッチコピーなど
- 画像:写真、イラスト、グラフィックデザインなど
- 動画:プロモーションビデオ、チュートリアル動画など
プロのライターが執筆した記事や、フォトグラファーが切り取った一枚の写真には、その瞬間に権利が発生しています。
これらを「ネットで見つけたから」と無断で使用することは、たとえ悪意がなくても権利侵害になります。
常に「これは誰かが作ったものだ」という意識を持ち、事前に使用許諾を得るか、オリジナルのコンテンツを用意する姿勢が求められます。
肖像権とは何か

著作権と並んで、ホームページ運営で絶対に避けて通れないのが「肖像権」です。
これは、個人のプライバシーや人格を保護するための権利であり、自分の容姿を無断で撮影されたり、公開されたりしない権利を指します。
肖像権の定義と範囲
肖像権とは、本人の容貌を他人に公表されない権利です。
許可なく写真や動画に本人の容貌を撮影・掲載することは、肖像権の侵害となります。
この権利は個人のプライバシーを守るために重要な「人格権」の一部です。
基本的には人間にのみ適用されるものですが、個別の事案によってはペットなどの動物にも一定の権利が認められる議論があり、一概に断言はできません。
侵害が認められた場合には、精神的苦痛に対する損害賠償を請求されるリスクがあります。
そのため、サイトに人物写真を掲載する際は、必ず本人の許可を得ることが鉄則です。
特に被写体が18歳未満の未成年の場合は、後のトラブルを避けるために保護者(親権者)からも許可を得るようにしましょう。
この際、後から争いにならないよう、書面やデジタルデータなど、形に残る方法で同意を得ておくことが望ましいです。
知っておきたい肖像権侵害の具体例
肖像権の侵害は、意外と身近なところで起こります。
例えば・・・
- 無断での人物写真使用
例)イベントの盛り上がりを伝えるために撮影した写真を、個別の許可なく掲載する。 - 映像の無断使用
例)自社のプロモーションビデオに、他人がはっきり映り込んだ映像を無断で使う。 - イラストやデジタルアートの無断使用
実在する人物の顔をリアルに描いたイラストを無断で公開する。
街頭で撮影したスナップ写真をブログに掲載した際、写っている人から「許可なく私の写真を使用した」とクレームが入るケースがあります。
たとえ背景の一部であっても、本人と特定できる場合は法的なトラブルに発展することもあります。
人の目に触れる場に公開する以上、常に肖像権を意識し、事前に許可を得ることが重要です。
肖像権を守るための対策とは
ホームページ制作において、侵害を防ぐための対策は徹底した「事前準備」に尽きます。
- 事前に許可を得る
写真や映像を使用する前に、被写体の許可を文書で得ること。 - 契約書を作成する
商業目的で使用する場合、詳細な契約書を作成し、肖像使用の範囲を明確にする。 - フリー素材を利用する
肖像権を気にせずに使用できるフリー素材を活用する。
ホームページ制作に欠かせないのはやはり撮影です。
ホームページで使用する写真・動画などの撮影を制作会社に任せる場合はほとんど問題ないですが、お客様自身でされる場合には準備や対策が必要です。
自社で撮影を行う場合は、被写体となる方への説明と同意書の準備をセットで考えましょう。
また、素材サイトから画像をダウンロードする際も、使用条件(ライセンス)をしっかり確認することで、リスクを大幅に減らすことができます。
AIが生成した作品に著作権は発生するのか?

AI技術の進化により、AIを活用した画像生成やライティングツールが当たり前のように活用されるようになりました。
そこで新たに浮かび上がる疑問が、「AIがボタン一つで作り出した作品に、果たして人間と同じような著作権が発生するのか」という点です。
AI生成物における「著作物」の定義
現在の日本の法的な解釈では、AIが生成した画像や文章には、原則として著作権は発生しないと考えられています。
誰のものでもない、いわば「パブリックドメイン」に近い扱いとなります。
しかし入力される指示内容によって、生成されるものが変わるという性質上、人が行ったその指示に対して創作性が認められる可能性も0とは言えません。
AI生成物の権利は誰にあるのか
AIを使った作品の権利は使用するAIツールの「利用規約」によって変わってきます。
プラットフォーム側が持っているケースや、生成者がそのまま所有できるケースなど様々ですので、利用する前に規約を確認することが大事です。
ツールによっては、生成されたコンテンツの商用利用を制限していることもあります。
私たちがホームページでAI画像やAIテキストを使用する際は、その作品が「誰の権利として認められるのか」を、法律と規約の両面から把握しておく必要があります。
AIの学習元の著作権を有している人は権利侵害を主張できるか
いま世界で多く議論されているのが
「AIの学習元として使用されたデータの著作権を持っている人が、AIの生成物に対して権利侵害を主張できるのか」
といった問題です。
結論から言うと、「学習されたこと自体で侵害を問うことは難しいが、出力されたものが元の作品に酷似している場合は、侵害を主張できる可能性がある」というのが現在の法的なスタンダードです。
今の日本の法律では、学習することは原則問題ない
現在の日本の著作権法では、AIがデータを学習すること自体は「情報解析」とみなされ、原則として著作権者の許可なく行っても良いとされています。
これは、AIが作品を「鑑賞(楽しむ)」ために読み込むのではなく、あくまでデータの「パターン」や「相関関係」を抽出するために利用するから、という考えに基づいています。
そのため、学習されたことで権利侵害を主張することは難しいのが現状です。
ただし、AIから出力されたものが特定の作品とあまりに似ている場合は話が少し変わってきます。
AIが生成した作品があまりにも特定の作品にそっくりだった場合、
・既存の作品と表現が似ていること
・その作品を元にして作られたこと(学習データに含まれていたこと)
この2点が認められれば、AI生成物であっても通常の著作権侵害と同様に、使用の差し止めや損害賠償を請求できる可能性があります。
ただし、現時点での大きな課題はその「証拠」を集めることです。
AIが自分の作品を学習したことを外部から証明するのは技術的に非常に難しく、法的な請求を行う際の大きな障壁となっているのが実情です。
ホームページにも発生する著作権

当然のことながら、ホームページそのものも一つの著作物であり、そこには複雑な権利が絡み合っています。
画像、動画、音楽、さらには選ばれたフォントのひとつひとつにまで権利が存在することを忘れてはいけません。
画像や動画、テキストの使用について
ホームページの著作権は、原則として「作成した人」に帰属します。
そのため、制作会社にフルオーダーで依頼した場合、デザインや構成の権利は制作会社側にあります。
一方で、お客様ご自身で用意された文章やイラストについては、当然お客様自身が権利を持ちます。
AIで作成したものに関しては、プラットフォーム側が権利を持っているものや、商用の利用に制限をかけている場合もあるので、必ず利用規約を確認してください。
制作会社にお任せした場合、使用されている素材(フリー画像等)の「編集データの譲渡」が規約で禁止されていることもあります。
将来的なサイトの自由な改変を考えるなら、できるだけ自社で用意した素材を使うか、権利関係の扱いを事前に制作会社と確認しておくことが望ましいです。
音楽やフォントの著作権について
意外と見落としがちなのが、音楽やフォントの権利です。
これらも著作権で保護されており、無断で使用することは法律に違反します。
適切なライセンスを取得することで、これらの素材を安全に使用することができます。
ホームページにプロモーション動画などを掲載する場合に、BGMとして使用する音楽は、著作権フリーの素材を利用するか、音楽のライセンスを購入することが必要です。
日本音楽著作権協会(JASRAC)などからライセンスを取得することで、音楽を合法的に使用することができます。
また意外かもしれませんがフォントも同様に、商業利用が許可されているフォントというものが存在し、パソコンに入っているからといって、どんな用途にも使えるわけではありません。
特にWebフォントとしてサーバーにアップロードして使用する場合や、ロゴとして商標登録する場合などは、そのフォントのライセンスが商業利用をどこまで認めているかを厳密にチェックしなければなりません。
コンテンツの引用と転載のルール
他人のサイトの内容をそのままコピーして貼り付ける「コピペ」は、当たり前ですが著作権侵害となります。
しかし、他人の意見を紹介したり、ニュースに言及したりするために、法的に認められたルールに則って行う「引用」であれば、使用することができます。
正当な引用と認められるためには、まず自分の文章が「主」であり、他人の文章が「従」であるという関係性が保たれていなければなりません。
例えば、ブログで他社の情報を紹介する場合、引用部分を枠線などで明確に区別し、出典(サイト名やURL)を明記することが求められます。
必要最小限の範囲を超えた長文の転載は避け、あくまで自分の主張を補強するために、著作権者への敬意を払った形での紹介を心がけましょう。
まとめ

権利侵害を起こさないためには、著作権・肖像権を有している人物に許可を取ることが何より大切です。
今回は掲載する側をメインにお話ししましたが、もしかしたら自分の写ったメディアや、著作物に関して掲載の許可を求められる場合もあるかもしれません。
もし自分が許可を取られる側になった際は、掲載目的や掲載する範囲・期間について、よく確認しておきましょう。
また、AIは便利な道具ですが、それを使って生み出したコンテンツが誰かを傷つけたり、誰かの権利を脅かしたりしないよう、最終的な責任を持つのは私たち人間です。
また現在は、コンテンツがAIによって生成されたものであることを明示する「透明性」も、企業の信頼性を保つために強く求められています。
AIを賢く使いこなしつつも、最後は必ず人間の目で「権利を侵害していないか」「事実と異なっていないか」を厳密にチェックすることが大事です。
今回は「著作権」「肖像権」にフォーカスしてご紹介しましたが、ホームページの制作・運用にするにあたって気を付けておきたい法律などは以下で解説しているホームページ制作・運用の際に覚えておきたい法律の知識の記事もご覧ください。
※本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、法的な助言を構成するものではありません。個別の事案については、必ず弁護士等の専門家にご相談ください。
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