Google口コミの削除申請|悪質口コミを消す方法
Googleマップに悪質な口コミを書かれたという経験がある方もいるのではないでしょうか。
Googleの口コミは、今や来店前の判断材料として多くの人が参考にしています。星の数やコメントの内容次第で、集客に大きな影響が出ることもあります。だからこそ、不当な投稿に対して「削除したい」と考えるのは自然なことです。
しかし、削除申請は感情的に行ってもうまくいきません。Googleが定めたポリシーを理解し、冷静かつ客観的に進めることが大切です。この記事では、削除できる口コミとできない口コミの違い、正しい申請手順、そして削除できなかった場合の対応までを、実際の店舗運営に即してわかりやすく解説します。
目次
1. 「削除できる口コミ」と「できない口コミ」の違い
Googleの口コミは、自由な意見交換の場である一方、内容が「Googleポリシー」に違反している場合は削除申請の対象になります。
実際の申請画面では、削除理由として次の7つのカテゴリが表示されます。それぞれの意味と、具体的な該当例を見ておきましょう。
トピックと関係ない
お店のサービスや体験とは無関係な内容の口コミです。
たとえば、「政治的な主張」「近隣店舗への批判」「個人的な日記のような投稿」などは該当します。
スパム
虚偽のアカウントや、自動投稿、宣伝目的の口コミなどです。
競合店が宣伝を兼ねて書き込んだり、口コミ代行業者による投稿もこの分類になります。
利害に関する問題
競合する店舗や関係者が、自社を有利にするために書いた口コミが該当します。
たとえば「〇〇店よりうちの方が安い」といった比較投稿や、従業員が自社を褒める口コミなどです。
冒とく
侮辱的・下品な言葉、暴力的な表現、または違法行為を示唆する口コミです。
「店員がバカ」「詐欺まがい」「最悪の店」など、事実確認が難しい人格攻撃も含まれます。
いじめ、嫌がらせ
特定の人物を名指しで攻撃するような口コミです。
たとえば「〇〇というスタッフは無能」など、実名を挙げて批判する内容が該当します。
人種差別・ヘイトスピーチ
性別、国籍、人種、宗教などの属性を根拠に個人や集団を中傷する口コミです。
社会的に重大な差別発言とみなされるケースもあります。
個人情報
名前、住所、電話番号、病名など、特定の個人を特定できる情報が含まれる口コミです。
従業員名や患者名などが書かれている場合は、個人情報保護の観点から削除が認められる可能性が高いといえます。
このように、Googleは「事実の有無」よりも「投稿内容がポリシー違反にあたるか」を重視して審査を行います。
したがって、削除申請を行う際は、「どの項目に該当するか」を明確に選択することが重要です。
1-2. 「削除できる口コミ」と「できない口コミ」
削除の可否は、投稿が上記の違反カテゴリに該当するかどうかで決まります。以下に、削除が認められる可能性が高いケースと、削除が難しいケースを整理しておきましょう。
削除できる可能性が高い口コミ(ポリシー違反に該当するもの)
- 「この店のオーナーは詐欺師」「〇〇というスタッフは最悪」など、人格を攻撃する内容(冒とく・嫌がらせ)
- 「〇〇クリニックで病名をバラされた」といった個人情報を含む投稿(個人情報)
- 「〇〇店よりうちの方が安い」といった競合宣伝目的の投稿(利害に関する問題)
- 実際に来店していない人や架空アカウントによる投稿(スパム)
- お店の営業と関係のない政治的・宗教的主張(トピックと関係ない)
削除が難しい口コミ(ポリシー違反ではないもの)
- 「料理が口に合わなかった」「接客が冷たく感じた」など、体験に基づく主観的な意見
- 「値段が高い」「待ち時間が長い」といったサービスに関する感想
- 実際の出来事を述べているが、表現がやや厳しいもの(例:「説明が不親切だった」など)
Googleは、こうした主観的な意見を「個人の体験の共有」として尊重しています。そのため、お店側が「不当だ」と感じても、事実と異なる証拠がない限り削除は難しいのが現実です。
一方で、虚偽投稿や嫌がらせ投稿は、Googleのポリシー上明確に禁止されています。内容を冷静に見て「どの違反項目に該当するか」を判断して申請することが、削除成功の第一歩です。
1-3. 感情的な低評価口コミが削除できない理由
Googleは多様な意見を受け入れる方針を取っており、利用者の率直な感想を表現する権利を大切にしています。
そのため、「美味しくなかった」「接客が不満だった」といった意見は、事実と異ならない限り削除の対象になりません。こうした口コミに対しては、削除を求めるよりも、誠実な返信を行う方が結果的にお店の信頼を高めます。
たとえ低評価であっても、落ち着いた対応を見た他の閲覧者が「誠実なお店だ」と感じるケースは多くあります。
2. Googleビジネスプロフィール口コミ削除申請の手順
削除申請は、Googleビジネスプロフィールの管理画面から行います。手順は次のとおりです。
1.Googleビジネスプロフィールにログイン

2.左メニューの「クチコミ」タブを選択

3.削除したい口コミの右側にある「︙」をクリックし、「不適切なクチコミを報告」を選択

4.表示される項目の中から、違反内容を選択

5.「送信」ボタンをクリックして完了

申請は数分で行えますが、記載内容があいまいだと審査が通らない場合があります。短くても、事実に基づいた説明を添えることが大切です。
申請後、Googleによる審査が行われます。通常は数日で結果が届きますが、内容によっては数週間かかることもあります。
3. 削除できない口コミへの対応策
削除申請が認められなかった場合でも、取るべき次の一手があります。
削除に固執せず、口コミへの対応力を高めることで、お店の印象を改善することができます。
3-1. 誠実な返信で信頼を積み重ねる
削除できない口コミに対しては、誠実で丁寧な返信が最も効果的です。
まずは、意見を寄せてくれたことへの感謝を述べ、不快な思いをさせた点について謝罪します。そのうえで、誤解がある場合は事実を簡潔に説明し、今後の改善に努める姿勢を伝えます。 例えば、次のような返信が考えられます。
「この度は貴重なご意見をありがとうございます。ご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません。ご指摘を真摯に受け止め、今後のサービス改善に活かしてまいります。」
このような対応は、他の閲覧者に「誠実なお店だ」という印象を与え、信頼回復につながります。
3-2. どうしても悪質な場合は法的手段も視野に
口コミが明らかに悪意を持った虚偽投稿や誹謗中傷であれば、法的手段を検討します。
たとえば、弁護士を通じて投稿者の特定を求める「発信者情報開示請求」や、裁判所に削除を申し立てる「削除仮処分」などの方法があります。
ただし、これらの手続きには時間と費用がかかるため、慎重に判断し、専門家のアドバイスを受けることが重要です。
3-3. ネガティブな口コミに負けないお店づくり
本質的な解決策は、良い口コミを増やすことにあります。 満足されたお客様に口コミ投稿をお願いしたり、店内にQRコードを設置して投稿を促したりするだけでも効果があります。良い口コミには丁寧に返信し、感謝の気持ちを伝えましょう。定期的にアンケートを実施して顧客満足度を把握し、サービスの質を高めていくことも欠かせません。
ネガティブな口コミは、お店の課題を知る貴重なヒントでもあります。それを前向きに受け止め、改善へとつなげる姿勢が、結果的にお店の信頼と集客力を高めていくのです。

