ホームページに掲載する導入事例の書き方|BtoB企業向け構成テンプレート
ホームページ集客において、導入事例・導入実績などのコンテンツは見込み客に判断材料を与えるのに非常に有効です。弊社も積極的に提案していますが、いざ運用開始すると全然更新されない…という事がしばしばあります。何を書いたらいいのか分からないそうです。
BtoB企業の導入事例では、顧客の感想だけを載せても、サービスを選ぶ判断材料にはなりません。
問い合わせにつなげるには、導入前の課題から選定理由、実施内容、導入後の変化までを順番に伝える必要があります。見込み客が自社の状況と重ねながら読める構成にすることが重要です。
この記事では、BtoB企業に適した導入事例の書き方を解説します。そのまま使える構成テンプレートやインタビューの質問例、掲載許可を得る手順も紹介します。
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目次
1.導入事例を書く前に掲載内容と目的を整理する

導入事例の作り方を考える際は、すぐに取材を始めるのではなく、掲載する目的と対象読者を決めます。ここが曖昧だと、顧客紹介と感想だけの内容になりがちです。
1-1.お客様の声・実績一覧・導入事例の違い
お客様の声、実績一覧、導入事例は、似ているようで役割が異なります。
| コンテンツ | 主な掲載内容 | 向いている用途 |
| お客様の声 | 利用した感想や評価 | 安心感や親しみを伝える |
| 実績一覧 | 顧客名、業種、提供内容、写真 | 取引経験や対応範囲を示す |
| 導入事例 | 課題、選定理由、実施内容、変化 | 比較検討に必要な情報を伝える |
お客様の声は、顧客の感想が中心です。文章量が少なくても成立するため、短期間で掲載しやすい特徴があります。
実績一覧は、これまでにどのような仕事を担当したのかを見せるコンテンツです。製造業なら加工品や設備の写真、建設業なら施工写真、IT企業なら導入したシステムの概要などが中心になります。
一方、導入事例ページでは、依頼に至った背景から導入後までを詳しく紹介します。単なる評価ではなく、顧客がどのように検討し、なぜ自社を選んだのかを伝えるコンテンツです。
既存記事「お客様の声はなぜ必要?ホームページ制作で取り入れるポイント」では、お客様の声を掲載する必要性を解説しています。今回の記事では、より詳しい導入事例の書き方に絞って説明します。
1-2.誰に読んでもらう導入事例なのかを決める
導入事例を作る前に、想定する読者を決めます。
たとえば製造業の場合でも、新しい仕入れ先を探している購買担当者と、技術的な相談先を探している設計担当者では、知りたい内容が異なります。
購買担当者は、納期や品質、供給体制を重視するかもしれません。設計担当者なら、対応できる材質や加工方法、技術提案の範囲が判断材料になります。
次の項目を先に整理しておきましょう。
- どの業種の企業に読んでほしいか
- どの部署や役職を想定するか
- 読者が抱えている課題は何か
- 比較する際に何を重視するか
- 読後にどのページを見てほしいか
ひとつの事例に多くの情報を詰め込むより、特定の課題やサービスに焦点を当てたほうが内容は伝わります。
1-3.どの案件を導入事例にするか選ぶ
有名企業や大規模案件だけが、よい導入事例になるわけではありません。見込み客が抱えやすい課題を解決した案件も、有力な候補です。
次の基準で掲載する案件を選びます。
- 問い合わせを増やしたいサービスに関する案件
- 見込み客と業種や企業規模が近い案件
- 導入前の課題が明確な案件
- 自社独自の提案や対応があった案件
- 写真や資料を用意しやすい案件
- 顧客との関係が良好で取材を依頼しやすい案件
導入事例が複数ある場合は、業種や課題、サービス内容が偏らないように選びましょう。
特定の業種に偏っていると、それ以外の企業から「自社には対応していないのでは」と思われる可能性があります。反対に、狙いたい業種が決まっている場合は、その業種の事例を優先する方法もあります。
2.BtoB導入事例の構成テンプレート

問い合わせにつながる導入事例には、見込み客が比較検討に使える情報が必要です。次の構成テンプレートを基本にすると、必要な内容を整理しやすくなります。
2-1.導入事例ページに必要な基本構成
| 掲載項目 | 書く内容 | 読者が確認したいこと |
| タイトル | 課題、実施内容、変化の要約 | 自分に関係する事例か |
| 顧客情報 | 業種、事業内容、規模、地域 | 自社と近い企業か |
| 導入前の課題 | 困っていた状況や背景 | 同じ課題に対応できるか |
| 比較・検討 | 解決策を探した経緯 | どのように検討したか |
| 選定理由 | 自社を選んだ決め手 | 他社との違いは何か |
| 実施内容 | 提案、作業、支援範囲 | 具体的に何を頼めるか |
| 進行中の対応 | 工夫や課題への対処 | 柔軟に対応してくれるか |
| 導入後の変化 | 数値、反応、業務上の変化 | どのような結果を望めるか |
| 今後の展望 | 次の課題や取り組み | 継続して支援を頼めるか |
| 関連情報 | サービス紹介や問い合わせ先 | 次にどこを見ればよいか |
すべての事例を同じ文章量にする必要はありません。ただし、導入前の課題、選定理由、実施内容、導入後の変化は、なるべく省略しないようにします。
2-2.タイトルには課題と実施内容を入れる
「〇〇株式会社様の導入事例」というタイトルだけでは、ページの内容を判断できません。会社名を知らない読者には、読む理由も伝わりにくくなります。
タイトルには、顧客が抱えていた課題と実施内容を入れましょう。
たとえば、次のような形です。
- 属人化していた受注管理を見直し、社内の情報共有を改善
- 製品ごとに分散していた情報を整理し、営業で使いやすいホームページへ
- 採用情報を全面的に見直し、仕事内容が伝わる採用サイトを制作
- 複雑だった問い合わせ窓口を整理し、担当部署への振り分けを改善
実際に確認できた内容だけを使い、事実以上に成果を大きく見せないことが大切です。
具体的な結果がまだ出ていない場合は、成果を無理にタイトルへ入れません。「どの課題に対して何を実施したのか」まででも、内容は十分に伝わります。
2-3.導入前から導入後までを時系列で伝える
導入事例の構成は、次の順番にすると読みやすくなります。
- 導入前の状況
- 抱えていた課題
- 比較・検討した内容
- 依頼先を選んだ理由
- 実施した内容
- 導入後に起きた変化
- 今後の取り組み
最初に結果だけを簡潔に示し、その後で経緯を説明する方法も有効です。
ただし、結果だけを強調して、そこに至る過程を省いてはいけません。BtoBの取引では、依頼前の打ち合わせや提案、進行方法も重要な判断材料になります。
見込み客が知りたいのは、華やかな成功談だけではありません。自社が依頼した場合に、どのような流れで進むのかも確認しています。
3.導入事例インタビューの進め方と質問例

導入事例のインタビューでは、満足した点だけを聞かないようにします。導入前の状況から順番に質問すると、記事に必要な情報を集めやすくなります。
3-1.取材前に社内資料と案件情報を整理する
顧客へ質問する前に、自社で把握している情報をまとめます。
- 問い合わせを受けた時期と相談内容
- 提案した内容
- 実施した作業
- 担当した部署やスタッフ
- 制作や導入の期間
- 途中で発生した課題
- 顧客から受けた反応
- 公開可能と思われる写真や資料
準備をせずに取材すると、顧客がすでに説明した内容を何度も尋ねることになります。担当した営業や制作スタッフにも確認し、取材時間を有効に使いましょう。
顧客には、取材の目的、所要時間、掲載予定の媒体を事前に伝えます。質問項目も先に共有しておくと、具体的な回答を準備してもらいやすくなります。
3-2.そのまま使えるインタビュー質問例
質問は、回答が「はい」「いいえ」だけで終わらない形にします。
顧客と事業について
- 貴社の事業内容と、今回のご担当業務を教えてください。
- 主にどのようなお客様へ商品やサービスを提供していますか。
- 今回の取り組みには、社内のどの部署が関わりましたか。
導入前の課題について
- 依頼前は、どのようなことで困っていましたか。
- その課題は、いつ頃から感じていましたか。
- 課題によって、現場では何が起きていましたか。
- それまでに試した対策はありましたか。
- 対策を進められなかった理由は何でしたか。
比較・検討について
- どのような方法で依頼先を探しましたか。
- 依頼先を選ぶうえで重視した条件は何ですか。
- ほかにどのような解決方法を検討しましたか。
- 社内では、どのような意見や懸念がありましたか。
選定理由について
- 最終的な依頼の決め手は何でしたか。
- 提案内容のどこに納得されましたか。
- 打ち合わせで印象に残った点はありますか。
- 依頼前に不安だったことはありましたか。
実施中の対応について
- 取り組みはどのような流れで進みましたか。
- 進行中に難しかった点はありましたか。
- 提案や対応で印象に残っていることはありますか。
- 社内の意見は、どのように反映されましたか。
- 自社で準備が必要だったものは何ですか。
導入後の変化について
- 導入前と比べて、何が変わりましたか。
- 社内やお客様から、どのような反応がありましたか。
- 業務の進め方に変化はありましたか。
- 当初の課題は、どこまで解消されましたか。
- 今後、さらに取り組みたいことはありますか。
すべての質問を聞く必要はありません。事例の目的に合わせて、10~15問程度に絞ると進めやすくなります。
3-3.回答が抽象的なときの掘り下げ方
インタビューでは、「対応がよかった」「使いやすくなった」といった短い回答も多く出ます。そのまま掲載すると、ほかの事例と似た内容になってしまいます。
次の質問で具体的に掘り下げましょう。
- どの対応をよいと感じましたか。
- 以前はどのような状態でしたか。
- 誰が使いやすくなりましたか。
- どの業務で変化を感じましたか。
- 社内から、どのような声が出ましたか。
- 特に印象に残った場面はありますか。
- 想定していなかった変化はありましたか。
相手が答えにくそうなときは、自社側で事実を確認しながら質問します。
たとえば、「打ち合わせ回数を増やしたことは役立ちましたか」と聞くのではなく、「途中から現場担当者にも参加いただきましたが、その後の進め方に変化はありましたか」と尋ねます。
回答を誘導せず、具体的な出来事を思い出してもらう聞き方が大切です。
4.成果を具体的に伝える導入事例の書き方

導入事例では、確認できる事実を使って変化を伝えます。数値がない案件でも、業務や社内外の反応を整理すれば、内容のある事例を作れます。
4-1.数値成果がある場合の書き方
売上、問い合わせ数、作業時間などの数値を掲載できる場合は、計測期間と比較条件も確認します。
たとえば、問い合わせが増えた場合でも、次の情報がなければ正しく評価できません。
- 比較した期間
- 集計に含めた問い合わせの種類
- 広告や営業活動など、ほかの施策の有無
- 季節による変動
- 計測に使った仕組み
ホームページのリニューアルと同じ時期に広告を始めていれば、問い合わせ増加のすべてをリニューアルの成果とはいえません。
複数の要因が考えられる場合は、「ホームページ経由の相談が増えた」「営業時に説明しやすくなった」など、確認できた範囲で記載します。
数値の掲載には、必ず顧客の確認を取りましょう。社内情報や取引条件に関わる数値は、公開できない場合があります。
4-2.数値成果がない場合の書き方
BtoBサービスでは、導入から成果が出るまで時間がかかることがあります。また、改善効果を数値で計測していない企業も少なくありません。
その場合でも、次の変化は導入事例に使えます。
- 営業担当者が説明に使いやすくなった
- 問い合わせ時の質問が具体的になった
- 社内で情報を共有しやすくなった
- 更新担当者の作業負担が減った
- 顧客へ案内する資料が統一された
- 採用面接で事業内容を説明しやすくなった
- 対応可能な業務への誤解が減った
- 社内から情報発信の提案が出るようになった
数値がないからといって、「大幅に改善した」「高く評価された」などの表現で補うのは避けます。
誰にどのような変化があったのかを、事実に沿って書きましょう。「営業部門では〇〇の場面で使われている」のように、利用場面を示すと具体性が増します。
4-3.顧客のコメントだけで終わらせない
顧客のコメントは重要ですが、コメントだけでは実施内容の全体像が分かりません。
導入事例ページでは、顧客へのインタビュー内容に加え、自社側からも次の情報を補足します。
- 課題をどのように整理したか
- どのような方針を提案したか
- 一般的な案件との違い
- 特に注意した点
- 途中で変更した内容
- 専門的な判断が必要だった部分
- 公開後に行った支援
自社側の説明と顧客のコメントを分けて掲載すると、内容が整理されます。
ただし、顧客が話していない内容をコメントとして付け加えてはいけません。読みやすく整える場合も、意味や評価を変えないことが前提です。原稿確認の際には、修正したコメントも見てもらいましょう。
5.掲載許可を得て導入事例ページを公開する手順

導入事例には、会社名、担当者名、写真、取引内容などが含まれます。取材を了承してもらった場合でも、公開する情報ごとに確認が必要です。
5-1.取材前に掲載範囲を確認する
掲載許可は、記事が完成してから初めて依頼するのではなく、企画段階から相談します。
先に確認したい項目は次のとおりです。
- 会社名を掲載できるか
- 会社ロゴを使用できるか
- 担当者名や役職を掲載できるか
- 顔写真を掲載できるか
- 社内や設備の写真を掲載できるか
- 商品名やサービス名を掲載できるか
- 実施内容をどこまで公開できるか
- 数値や成果を掲載できるか
- 自社サイト以外でも紹介できるか
- 公開後の修正や非公開依頼へどう対応するか
会社名を出せない場合は、「大阪府・製造業」「従業員数〇名規模のIT企業」など、許可された範囲で紹介する方法があります。
ただし、複数の情報を組み合わせると企業を特定できる場合もあります。匿名なら自由に掲載できるとは限りません。
契約内容、個人情報、著作権、商標の使用などに不明点がある場合は、必要に応じて弁護士などの専門家へ確認してください。
5-2.完成原稿と使用素材を顧客に確認してもらう
取材後は、公開予定の文章と素材をまとめて顧客へ送ります。
文章だけでなく、次の項目も確認対象です。
- ページタイトル
- 見出し
- 顧客コメント
- 会社情報
- 担当者の氏名と役職
- 写真と説明文
- 会社ロゴ
- 数値や期間
- 関連ページへの掲載
- SNSなどでの紹介予定
確認者が複数いる場合は、誰が最終承認を行うのか決めてもらいます。取材担当者の了承だけでは公開できず、広報部門や経営者の確認が必要な企業もあります。
口頭での了承だけに頼らず、確認した内容が残る方法で進めると、認識の違いを防ぎやすくなります。具体的な許諾方法や書面の必要性については、案件に応じて専門家へ相談してください。
5-3.公開後は関連ページから導線をつなぐ
導入事例ページを公開しただけでは、見込み客に読まれないことがあります。
次のページから導入事例へリンクを設置しましょう。
- トップページ
- サービス紹介ページ
- 業種別ページ
- 課題別ページ
- 実績一覧
- 関連するコラム記事
事例ページの最後には、紹介したサービスの詳細ページや問い合わせページへの導線を設けます。
「お問い合わせはこちら」と表示するだけでなく、「同じような課題をお持ちの方へ」など、相談できる内容を添えると次の行動が分かりやすくなります。
また、導入事例が増えたら、業種、課題、サービスなどで探せる一覧ページも検討します。事例数が多くても、目的に合う記事を見つけられなければ比較資料として使われません。
まとめ:導入事例は見込み客が検討できる内容にする
問い合わせにつながる導入事例の書き方で重要なのは、顧客紹介や感想だけで終わらせないことです。
導入前の課題、比較した内容、選定理由、実施した支援、導入後の変化を順番に整理します。見込み客が自社と重ねながら、依頼後の流れを想像できる内容を目指しましょう。
数値成果がない場合も、業務の変化や社内外の反応を具体的に聞けば、読み応えのある事例になります。取材前には質問項目を準備し、公開する会社名、写真、コメント、数値などの掲載許可も確認してください。
株式会社クレフでは、2003年の創業以来、大阪市中央区を拠点に、企業ホームページの制作やリニューアルを支援しています。サイト構成だけでなく、導入事例の企画、取材、原稿作成を含めたコンテンツのご相談にも対応しています。
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