ホームページ制作の要望書をAIに丸投げしていませんか?制作会社が感じる問題点・注意点
AIで作ったホームページ制作の要望書をそのまま渡していませんか?制作会社が実際に受けた質問票の事例をもとに、問題点や注意点、AIの上手な使い方を解説します。
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目次

先日、ホームページ制作のご相談で、かなり細かく整理された質問票をいただきました。
- WordPressの管理者権限はもらえるのか。
- 解約後にデータを移行できるのか。
- 制作データは納品されるのか。
- ドメインの所有者は誰になるのか。
どれも確認しておいて損はない質問です。
ただ、詳しく聞いてみると、「管理者権限は何に使う予定ですか?」という質問に対して、特に用途は決まっていませんでした。
また、「制作データとは何を想定されていますか?」と確認すると、こちらも明確ではありません。
最近、クレフではこうしたAIで作成したと思われる要望書や質問票を受け取る機会がかなり増えました。
最初にお伝えしておくと、AIで要望書を作ること自体はまったく問題ありません。
むしろ、確認漏れを防いだり、複数の制作会社を比較したりするには便利です。
ただし、AIが出した内容をそのまま採用すると、肝心の「なぜホームページを作るのか」が抜けてしまうことがあります。
質問が30個あるのに制作目的が書いていない。
これは制作会社としては、少し困ります。
テストでいうと、名前はきれいに書いてあるのに解答欄が空白、くらいの感じです。
この記事では、実際にクレフへ届いた質問票やヒアリング事例をもとに、AIでホームページ制作の要望書を作る際の注意点をまとめます。
AIでホームページの要望書を作る企業が増えている
AIを使えば、ホームページ制作会社へ何を聞けばよいのかを簡単に整理できます。
初めて制作を担当する方には、かなり便利です。
何を聞けばよいか分からないとき、AIは役に立つ
ホームページ制作は、そう何度も経験するものではありません。
いきなり担当者になって、「制作会社に何を聞けばよいですか?」と言われても、分からないのが普通です。
そこでAIを使えば、
- 契約条件
- ドメイン
- サーバー
- WordPress
- バックアップ
- データの扱い
など、確認項目を洗い出せます。
クレフとしても、AIを使うメリットはあると考えています。
特に、「契約条件の確認漏れを防ぐ」「複数の制作会社を同じ条件で比較する」という使い方は便利です。
最近よく見る質問
実際にクレフへ届く質問票では、次のような内容をよく見ます。
- WordPressの管理者権限はもらえますか
- 解約後にホームページのデータは移行できますか
- レスポンシブ対応していますか
- 制作後に自社で更新できますか
- 制作データは納品されますか
確認してはいけない質問ではありません。
ただ、ホームページ制作の最初の段階で本当に知りたいのは、もう少し別のところです。
たとえば、以下のような内容が知りたいです。
「なぜリニューアルするのか」
「今のホームページの何に困っているのか」
「誰から問い合わせてほしいのか」
こちらが分からないと、仕様だけ聞いてもホームページ全体の方向性を決めにくくなります。
AIが作った質問は間違っているのか?
結論からいうと、間違っているとは限りません。
むしろ確認しておいた方がよい内容も多くあります。
ドメインや管理者権限を確認する意味はある
- ドメインの管理者は誰なのか。
- サーバーは誰が契約するのか。
- WordPressの管理者権限はどうなるのか。
- 解約時にデータはどう扱われるのか。
こうした内容は、公開後のトラブルを防ぐために確認しておく価値があります。
ただし、制作会社によって契約内容や管理方法は違います。
「管理者権限を渡してくれる会社だから良い」という単純な話でもありません。
重要なのは、なぜその確認が必要なのかです。
質問の意味を分からないまま送ると話が遠回りになる
実際に、「WordPressの管理者権限はもらえますか?」と質問された際、「何に使う予定ですか?」と確認すると、用途が決まっていないことがありました。
また、「制作データをすべて納品してもらえますか?」という質問もありました。
制作データといっても、
- デザインの元データ
- WordPressのデータ
- サーバー内のファイル
など、いろいろあります。
何を指しているのか確認すると、担当者側でも特に決まっていないケースがありました。
専門用語について確認した際、「AIで作った質問なので、詳しい意味は分かりません」と言われたこともあります。
AIが悪いわけではありません。AIは聞かれたから質問を作っただけです。
むしろ、かなり忠実に仕事をしています。
使う側で一度、「これは何のために聞く質問なのか」を確認しておくと、打ち合わせがかなりスムーズになります。
要望書で抜けやすいのは「その会社の話」
AIで作った質問票を見ていて、私が感じるのはここです。
技術的な質問は多いのに、その会社自身の情報が少ない。
クレフが追加で聞いていること
要望書に書かれていなければ、当社では基本的に次の内容を確認しています。
- 今回リニューアルする目的
- 現在のホームページの課題
- 競合企業
- 自社の強み
- 採用にも使うのか
- 公開後の更新担当者
ホームページを作るには、こちらの情報の方がかなり重要です。
たとえば同じ「WordPressを導入したい」という要望でも、毎週情報を更新する会社と、年に数回しか更新しない会社では、必要な作り方が違います。
営業目的なのか、採用目的なのかでもページ構成は変わります。
AIは会社の中の事情までは知らない
当然ですが、AIは社内の事情を勝手に知っているわけではありません。
- 競合と何が違うのか。
- 顧客から何を評価されているのか。
- 今後どの事業を伸ばしたいのか。
- 営業担当者が普段どんな説明をしているのか。
こうした情報は、AIに入力しなければ要望書には出てきません。
そのため、一般的な質問だけを作らせると、どの企業でも似たような内容になりやすいです。
実際にあったAI質問票の事例
ここからは、クレフが実際に受けた相談の中から、印象に残っている事例をご紹介します。
企業が特定されないよう、社名や業種は伏せています。
事例1|自社更新したいのに、更新する人がいない
要望書には、「自社で更新できるようWordPressを導入する」と書かれていました。
ところがヒアリングでは、「社内でホームページを更新するリソースはありません」とのことでした。
これでは、少し話が変わってきます。
自社更新できる機能を入れることと、実際に自社で更新することは別です。
更新担当者がいないなら、
- どこまで自社で更新するのか
- 制作会社へ更新を依頼するのか
- 更新しやすい部分だけ管理画面を作るのか
などを考えた方が現実的です。
「WordPressを入れること」が目的になってしまうと、本来の運用からずれてしまいます。
事例2|管理者権限が必要な理由が決まっていない
先ほどの、「WordPressの管理者権限はもらえますか?」という質問も実際にあったものです。
権限が必要な理由を確認すると、特に予定はありませんでした。
もちろん、将来のために確認すること自体は問題ありません。
ただ、用途が分かれば、「その場合はこの権限で十分です」
といった具体的な話ができます。
質問だけが独り歩きすると、制作会社側も答えにくくなります。
事例3|すでに自社管理しているドメインについて質問された
「ドメインの所有者情報を当社にできますか?」という質問をいただいたこともあります。
確認すると、そのドメインはすでにその会社自身がレジストラと契約していました。
つまり、すでに自社管理です。
また別の相談では、サーバーの条件が細かく指定されていました。
ところが話を聞くと、「今使っているサーバーをそのまま使いたい」ということでした。
現状をAIへ十分に伝えず質問票を作ると、こうしたズレが起こります。
AIとしては知りようがないので、これは仕方ありません。
Webに詳しいなら細かく指定してもらって大丈夫
ここは誤解してほしくないところです。
WordPressやサーバーについて詳しく、自社として必要な仕様が決まっているのであれば、細かく指定してもらった方が助かります。
- 利用するサーバーが社内ルールで決まっている
- WordPressの運用方法が決まっている
- セキュリティ要件がある
- 更新担当者の権限を分けたい
上記のような事情があるなら、要望書に書いてください。
問題なのは、意味が分からないままAIの回答を必須条件にしてしまうことです。
分からない部分は、「ここは制作会社から提案してほしい」で構いません。
むしろ、その方が適した方法を提案しやすいこともあります。
AIを使って要望書を作るなら、この流れがおすすめ
クレフとしておすすめしたい使い方は、とてもシンプルです。
AIで質問を作る
↓
質問の意味をAIに説明してもらう
↓
自社に必要か判断する
↓
分からない部分は制作会社へ相談する
これだけです。
AIに質問の意味を聞き返す
分からない質問が出てきたら、AIへそのまま聞いてみてください。
- この質問はなぜ必要ですか?
- 回答によって何が変わりますか?
- 当社でも確認した方がよいですか?
- 制作会社と相談して決めても問題ありませんか?
質問を作ったAIに、質問の意味も説明してもらえばよいのです。
質問を3種類に分ける
要望書を作るときは、次の3つに分けると分かりやすくなります。
| 分類 | 例 |
|---|---|
| 自社で決める | 目的、ターゲット、予算、公開時期 |
| 制作会社へ確認する | 契約条件、データ、保守内容 |
| 制作会社から提案を受ける | ページ構成、CMS、必要機能 |
何でも自社で決める必要はありません。
特に技術的な内容は、目的を伝えたうえで制作会社へ相談する方法もあります。
専門用語をそのまま使わない
たとえば、「CMSの管理者権限およびデータポータビリティは担保されますか?」と書かれていても、意味が分かりにくいと思います。
自社の希望が、「公開後は、お知らせと導入事例を社内で更新したい」なのであれば、「公開後は社内でお知らせと導入事例を更新したいです。必要な権限や更新方法をご提案ください」で十分です。
こちらの方が制作会社にも意図が伝わります。
AIに入力するホームページ要望書作成プロンプト
AIで要望書を作る場合は、次のように依頼すると使いやすくなります。
当社では、企業ホームページのリニューアルを検討しています。
制作会社へ相談するための要望書を作成してください。
いきなり質問一覧を作るのではなく、まず当社について一問ずつ質問してください。
【当社の情報】
・業種:
・主な事業:
・主な顧客:
・現在のホームページ:
・リニューアルする理由:
・現在困っていること:
・ホームページで実現したいこと:
・希望公開時期:
・予算:
・公開後の更新担当者:
質問は次の3つに分類してください。
1.当社で決めること
2.制作会社へ確認すること
3.制作会社から提案を受けること
専門用語を使う場合は、何のために確認する質問なのかも説明してください。
技術仕様は勝手に決めず、当社の目的に必要かどうかを確認してください。
最後に制作会社へ渡せる要望書としてまとめてください。
制作会社へ最低限伝えてほしいこと
細かな質問をたくさん用意する前に、まず次の内容を整理してみてください。
- ホームページを作る、またはリニューアルする理由
- 現在困っていること
- 一番重視する目的
- 見てほしい相手
- 今後伸ばしたい事業やサービス
- 自社の強み
- 希望するページや機能
- 公開希望時期
- 予算
- 公開後の更新担当者
全部決まっていなくても問題ありません。
決まっていないことも含めて相談するのが打ち合わせです。
AIで作った要望書についてよくある質問
AIで作った要望書を制作会社へ送っても大丈夫ですか?
問題ありません。
ただし、一度中身を読んで、自社に必要な質問か確認しておくのがおすすめです。
AIが作った質問の意味が分からない場合はどうすればよいですか?
そのまま制作会社へ送る前に、まずAIへ質問の意味を聞いてみるのがおすすめです。
「なぜこの質問が必要なのか」「回答によって何が変わるのか」「自社にも必要なのか」まで確認すると、質問の目的が分かりやすくなります。
それでも判断できない内容は、無理に要望書へ入れず、制作会社との打ち合わせで相談して決めても問題ありません。
AIが提案したWordPressやサーバーの仕様は、そのまま要望書に入れてよいですか?
自社で内容を理解し、必要な理由が明確であれば入れて問題ありません。
一方、AIが提案したという理由だけで、WordPressやサーバーの細かな仕様を必須条件にする必要はありません。
まず「なぜその仕様が必要なのか」をAIに確認し、自社に必要か判断しましょう。分からない部分は、実現したい目的を制作会社へ伝えたうえで提案を受ける方法もあります。
質問が多いほど良い制作会社を選べますか?
必ずしもそうではありません。
契約条件の比較には役立ちますが、提案力やヒアリング力までは質問票だけでは判断しにくいです。
AIと制作会社の説明が違ったらどうすればよいですか?
どちらかを無条件に信じる必要はありません。
「なぜそうなるのか」を確認してください。
前提条件が違えば、回答も変わります。
まとめ|AIは要望書を考えるための補助として使う
AIでホームページ制作の要望書を作ることは、今後さらに一般的になると思います。
クレフとしても、AIを使わない方がよいとは考えていません。
確認事項の洗い出しや、契約条件の比較には便利です。
ただし、ホームページ制作で一番大切なのは、質問の数ではありません。
- なぜ作るのか。
- 今何に困っているのか。
- 誰に見てもらいたいのか。
- 自社の強みは何なのか。
こちらの方が、ホームページの中身を考えるうえでは重要です。
AIで質問を作ったら、その意味もAIに聞いてみてください。
必要かどうかを自社で考え、分からない部分は制作会社へ相談する。
そのくらいの距離感で使うのがちょうどよいと思います。
クレフでは、細かな仕様が決まっていない状態からでもホームページ制作やリニューアルのご相談をお受けしています。
AIで作った要望書がすでにある場合も、そのままお持ちいただいて構いません。
要望書を完成品として見るのではなく、そこから一緒に整理していくための資料として使っていきましょう。
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